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寄添
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よりそ
ふりがな文庫
“
寄添
(
よりそ
)” の例文
「ぢやア
僕
(
ぼく
)
は帰るよ。もう………。」と
云
(
い
)
ふばかりで
長吉
(
ちやうきち
)
は
矢張
(
やは
)
り
立止
(
たちどま
)
つてゐる。その
袖
(
そで
)
をお
糸
(
いと
)
は軽く
捕
(
つかま
)
へて
忽
(
たちま
)
ち
媚
(
こび
)
るやうに
寄添
(
よりそ
)
ひ
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
(太吉も今は
引込
(
ひっこ
)
んでもいられず、恐る恐る這い出して来て、父のうしろに
寄添
(
よりそ
)
うと、重兵衛は鮓の折を
把
(
と
)
って、その眼さきに突き付ける。)
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
世に不思議な、この二人の、
毛布
(
けっと
)
にひしと
寄添
(
よりそ
)
ったを、あの青い石の狐が、顔をぐるりと向けて、鼻で
覗
(
のぞ
)
いた……
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘
(
むすめ
)
は
先刻
(
さき
)
の
涙
(
なみだ
)
に
身
(
み
)
を
揉
(
も
)
みしかば、さらでもの
疲
(
つか
)
れ
甚
(
はなはだ
)
しく、なよ/\と
母
(
はゝ
)
の
膝
(
ひざ
)
へ
寄添
(
よりそ
)
ひしまゝ
眠
(
ねぶ
)
れば
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
四、五人
寄添
(
よりそ
)
って
額
(
ひたい
)
をつき合せながら、
骨牌
(
かるた
)
を切っているものもあれば、
乳呑児
(
ちのみご
)
を
膝
(
ひざ
)
の上にして、鏡に向って化粧をしているものもある。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
が、
例
(
れい
)
の
大鞄
(
おほかばん
)
が、
其
(
そ
)
のまゝ
網棚
(
あみだな
)
にふん
反返
(
ぞりがへ
)
つて、
下
(
した
)
に
皺
(
しな
)
びた
空気枕
(
くうきまくら
)
が
仰向
(
あふむ
)
いたのに、
牛乳
(
ぎうにう
)
の
壜
(
びん
)
が
白
(
しろ
)
い
首
(
くび
)
で
寄添
(
よりそ
)
つて、
何
(
なん
)
と……、
添寝
(
そひね
)
をしようかとする
形
(
かたち
)
で
居
(
ゐ
)
る。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
囁
(
ささや
)
くような小声ながらも
一語一語
(
ひとことひとこと
)
念を押すように力を入れ、ぴったり
後
(
うしろ
)
から
寄添
(
よりそ
)
っていつか手をも握りながら、「お前、もうおれがいやになったのか。」
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
局
(
つぼね
)
は、
猶予
(
ためら
)
はず、肩をすれ違ふばかり、ひた/\と
寄添
(
よりそ
)
つて
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女は
立膝
(
たてひざ
)
して何事をか訴へ
引留
(
ひきと
)
むるが如く
寄添
(
よりそ
)
へば、男は決然と立つて
袴
(
はかま
)
の
紐
(
ひも
)
を結び直しつつも心引かるる
風情
(
ふぜい
)
にて打仰ぐ女の顔をば上より
斜
(
ななめ
)
に見下ろしたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と、
寄添
(
よりそ
)
いながら、お君も
莞爾
(
にっこり
)
。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人は
少時
(
しばし
)
立ちすくんだまま
互
(
たがい
)
に姿さえ恐るる如く息を
凝
(
こら
)
して見合っていたが、やにわに双方から倒れかかるように
寄添
(
よりそ
)
いざま、ひしと
抱合
(
いだきあ
)
って、そのまま女は男の胸に
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
されば男は此処にその呼び
止
(
とむ
)
る声を聞きその
寄添
(
よりそ
)
ふ姿を見る時は、過ぎし昔の前兆を今又目前に見る心地して、その宿命に満足し、犠牲に甘んじて、冷き
汚辱
(
をじよく
)
の手を握り申侯。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
添
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“寄”で始まる語句
寄
寄席
寄越
寄合
寄手
寄寓
寄生木
寄付
寄来
寄人