孝行かう/\)” の例文
みねは三すけきしめて、さてもさても世間せけん無類むるい孝行かう/\おほがらとても八歳やつ八歳やつ天秤てんびんかたにしていたみはせぬか、あし草鞋わらじくひは出來できぬかや、堪忍かんにんしてくだされ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにごとぞくまでやさしき孝行かう/\のこヽろにす、父君ちヽぎみ母君はヽぎみ苦勞くらうたねよめいりの相談さうだんかけたまふごとに、わがまヽながらわたく一生いつしやうひとりみのねがひあり、おふせにそむくはつみふかけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よ、おまへ此樣このやう病氣びやうきになつてから、お父樣とつさんもお母樣つかさん一晩ひとばんもゆるりとおやすみになつたことはない、おつかれなされておせなされて介抱かいはうしてくださるのを孝行かう/\のおまへ何故なぜわからない
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また馬鹿ばかなことをふよそんなよはだから病気びやうきがいつまでもなほりやアしないきみ心細こゝろぼそことつてたまへ御父おとつさんやおつかさんがどんなに心配しんぱいするかれません孝行かう/\きみにも似合にあはない。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもて鹽物しほものやが野郎やらうと一しよに、しゞみしてはあしおよぶだけかつまわり、野郎やらうが八せんうれば十せんあきなひひはかならずある、一つは天道てんたうさまがやつこ孝行かう/\見徹みとほしてか、なりかくなり藥代くすりだいは三がはたら
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)