トップ
>
奮発
>
ふんぱつ
ふりがな文庫
“
奮発
(
ふんぱつ
)” の例文
旧字:
奮發
「君が来たんで生徒も大いに喜んでいるから、
奮発
(
ふんぱつ
)
してやってくれたまえ」と今度は釣にはまるで
縁故
(
えんこ
)
もない事を云い出した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たとえば僕が朝起きて今日は天気もよいし、気分もいいから、一
奮発
(
ふんぱつ
)
して十里先へ遠足する、とこう心の内に十里
塚
(
づか
)
を目的として出発する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ごらんの通りの居酒屋をはじめたンで、あっしらは、まアこうして
熨斗
(
のし
)
のついた暖簾の一枚も
奮発
(
ふんぱつ
)
して景気をつけに来ているンでございます。
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
自分は仲間の誰よりも、体が大きく、力が強く、知恵もあるので、みんなから尊敬されている。そこで一つ
奮発
(
ふんぱつ
)
して、みんなよりも立派な
住居
(
すまい
)
を
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ねえ賢、あんたも知っているように八円のと十二円のと二通りあったが、あんたには十二円のを
奮発
(
ふんぱつ
)
してやったのだよ」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
しかし、そんなことをこれ以上かれこれ
詮議
(
せんぎ
)
だてしたって詰まらないから、じゃあ
奮発
(
ふんぱつ
)
して一ルーブリ半ずつで買いましょう。それ以上は出せませんよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
その性根で用意した
祭
(
まつり
)
の
踊
(
おどり
)
に行く時の
一張羅
(
いっちょうら
)
を二人はひっぱって来た。白いものも洗濯したてを
奮発
(
ふんぱつ
)
して来た。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
祝いとうなったのじゃ。お嫌いでなければつきあっていただきたい。きょうのべに絵の売上金のなかから小豆少量、
奮発
(
ふんぱつ
)
めされ! 奮発めされ! わっはっはっは
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
聞
(
き
)
けば
聖書
(
バイブル
)
を
糧
(
かて
)
にする
道徳家
(
だうとくか
)
が二十五銭の
指環
(
ゆびわ
)
を
奮発
(
ふんぱつ
)
しての「ヱンゲージメント」、
綾羅
(
りようら
)
錦繍
(
きんしゆう
)
の
姫様
(
ひいさま
)
が
玄関番
(
げんくわんばん
)
の
筆助君
(
ふですけくん
)
にやいの/\を
極
(
き
)
め
込
(
こ
)
んだ
果
(
はて
)
の「ヱロープメント」
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
人夫等岩崖を
仰
(
おほい
)
で唯
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
むるあるのみ、心は即ち帰途に
就
(
つ
)
くにあればなり、此に於て余等数人
奮発
(
ふんぱつ
)
一番、先づ
嶮崖
(
けんがい
)
を
攀登
(
はんとう
)
して其
登
(
のぼ
)
るを得べき事を
示
(
しめ
)
す、人夫等
猶
(
なほ
)
肯
(
がへ
)
んぜず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
聴き手が聴き手だけにこちらが
奮発
(
ふんぱつ
)
できたので、皆も静かに耳を傾けた様子が見えて、自分の思いどおり自分も満足した、そしてお負けとして
蚯蚓
(
みみず
)
の声をしてみせるつもりで
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「おやおや、えらいご
奮発
(
ふんぱつ
)
だね。でも、預る気になってくれて、わたしも奥さんに申訳が立つというわけさ、……どうれ、また気が変らないうちに、奥さんに知らしてあげようか。」
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「なにもいうことはない、祖先の名をはずかしめないように
奮発
(
ふんぱつ
)
するか」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
万碧楼では
喰逃
(
くいに
)
げが帰って来たと云う顔をして、茶代も少し
奮発
(
ふんぱつ
)
したに関せず、紫縮緬の夜具は雲がくれて、あまり新しくもない木綿の夜具に寝かされた。主の方では無論覚えて居る由もない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これは
矢張
(
やは
)
りお
爺
(
じい
)
さんの
言
(
い
)
われる
通
(
とお
)
り、この
際
(
さい
)
、
大
(
おお
)
いに
奮発
(
ふんぱつ
)
して
霊界
(
れいかい
)
との
交通
(
こうつう
)
を
盛
(
さか
)
んにする
必要
(
ひっよう
)
がございましょう。それさえできれば
斯
(
こ
)
んなことは
造作
(
ぞうさ
)
もなく
判
(
わか
)
ることなのでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
質問
(
しつもん
)
がすぐにわたしを
奮発
(
ふんぱつ
)
さして、一人で行く気を起こさせた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
あるさ、おれはおまえを見こんで、その
大功
(
たいこう
)
をあらわす仕事をひきうけてきたんだ。おまえというものを、
石見守
(
いわみのかみ
)
さまにみとめさせようと思ってな。どうだ、どうだ蛾次、
奮発
(
ふんぱつ
)
して一つやってみるか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの車のあとを追っかけるのだ。賃銀は
奮発
(
ふんぱつ
)
するぜ」
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
難船して死にやしないかなどと思っちゃ困るから、
奮発
(
ふんぱつ
)
して長いのを書いてやった。その文句はこうである。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「君はもっと勉強しないと、やりそこなう(fail)から、大いに
奮発
(
ふんぱつ
)
せんといかんぞ」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「もっと宿料を
奮発
(
ふんぱつ
)
なされば、あっちにいくらもいいお座敷があいておりますよ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一見人工を
加
(
くわ
)
へたる文珠菩薩に
髣髴
(
はうふつ
)
せり、
傍
(
かたはら
)
に一大古松あり、
欝
(
うつ
)
として此文珠
岩
(
いわ
)
を
被
(
お
)
へり、丘を
攀登
(
ばんと
)
して岩下に
近
(
ちか
)
づかんとするも
嶮崖
(
けんがい
)
頗甚し、小西君
及
(
および
)
余の二人
奮発
(
ふんぱつ
)
一番衆に先つて
上
(
のぼ
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
意気地
(
いくじ
)
ないような、おかしいような気がします 私共のような鳥でさえ、高い山の上を飛び廻ってるのですもの、あなたも一つ
奮発
(
ふんぱつ
)
して、国中で一番高い山の上に雷を落としてみられたら
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「よう、
鰻
(
うなぎ
)
どんぶりじゃないか。えらく
奮発
(
ふんぱつ
)
したね。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
五円の茶代を
奮発
(
ふんぱつ
)
してすぐ移るのはちと残念だが、どうせ移る者なら、早く引き
越
(
こ
)
して落ち付く方が便利だから、そこのところはよろしく山嵐に
頼
(
たの
)
む事にした。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“奮発”の意味
《名詞》
奮 発(ふんぱつ)
精神を奮い起こすこと。
思い切ってたくさん金を出すこと。
(出典:Wiktionary)
奮
常用漢字
小6
部首:⼤
16画
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
“奮発”で始まる語句
奮発心