大約おほよそ)” の例文
それが大約おほよそ三年前に妙な目に逢つたのでございますよ。多分どんな人間でもわたくしより前にあんな目に逢つたものはございますまい。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
大約おほよそ三四町も駈通して、もう大丈夫だらうと思ツて、自分は立停たちどまツてほつと一息した。あとを振向いて見ても誰も來る模樣が無い。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
屹度きつと返却かへします、屹度きつと。』などとちかひながら、またばうるなりつた。が、大約おほよそ時間じかんつてからかへつてた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大約おほよそ三百ヤードばかり距離きよりを四くわい往復わうふくするのであるが優勝者チヤンピオンには乘組のりくみ貴婦人連レデイれんからうるはしき贈物おくりものがあるとのことで、英人エイじん佛人フツじん獨逸人ドイツじん其他そのほか伊太利イタリー瑞西スイツツル
「でも大約おほよそ時間を極めて置いて下さいませんと、お待ち申してをる者は困ります」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
アンドレイ、エヒミチは、イワン、デミトリチの寐臺ねだいうへこしけて、大約おほよそ半時間はんじかんつてゐると、へやいて、はひつてたのはハヾトフならぬ小使こづかひのニキタ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
獨逸等ドイツとうおと名高なだか國々くに/″\名所めいしよ古跡こせき遍歴へんれきして、其間そのあひだつきけみすること二十有餘箇月いうよかげつ大約おほよそまん千里せんり長途ながたびあとにして、つひ伊太利イタリーり、往昔むかしから美術國びじゆつこく光譽ほまれたか
ること若干里いくばくぞ、さん候、大約おほよそ十二万三千四百五十六億七千八
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大約おほよそみち四五里しごりすゝんだとおもところからやま益々ます/\ふかくなり、みちはだん/\と險阻けんそになつたが、元氣げんきなる武村兵曹たけむらへいそうは、んでも日沒ひぐれまでには二十以上いじやうすゝまねばならぬといさつ。