大伴おほとも)” の例文
大伴おほとも大納言だいなごんにはたつくびについてゐる五色ごしきたま石上いそのかみ中納言ちゆうなごんにはつばめのもつてゐる子安貝こやすがひひとつといふのであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
素性が言へずば目的でもいへとて責める、むづかしうござんすね、いふたら貴君あなたびつくりなさりましよ天下を望む大伴おほとも黒主くろぬしとは私が事とていよ/\笑ふに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中臣なかとみ氏、斎部いむべ氏が、朝廷の祭祀をつかさどり、物部もののべ氏、大伴おほとも氏が武将として兵事に当り、弓削ゆげ氏が弓の製造に従事し、玉造たまつくり氏が玉の加工に当つたやうなものである。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
大坪家に二十年以上も住んでゐる人間ですから、渡り用人並に、少しくらゐは溜めて居たところで引拔いて大伴おほともの黒主などに化ける氣遣ひは先づなささうです。
ここに大伴おほともむらじ等が祖みちおみの命、久米くめあたへ等が祖大久米おほくめの命二人、兄宇迦斯えうかしびて、りていはく
いざどもはやく日本やまと大伴おほとも御津みつ浜松はままつひぬらむ 〔巻一・六三〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
近所の女だの、年上の従姉妹いとこだのに、母が絵解をするのを何時いつか聞きかじつて、草双紙の中にある人物の来歴が分つたものだから、鳥山秋作照忠、大伴おほともの若菜姫なんといふのが殊の外贔屓ひいきなんです。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
誰ならず、日の御裔みすゑ久米くめ大伴おほとものち
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
大伴おほともの氏と名に負へる ますらをのとも
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
素性が言へずは目的でもいへとて責める、むづかしうござんすね、いふたら貴君あなたびつくりなさりましよ天下を望む大伴おほとも黒主くろぬしとはわたしが事とていよいよ笑ふに
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
四番よばんめの大伴おほとも大納言だいなごんは、家來けらいどもをあつめて嚴命げんめいくだし、かならたつくびたまつていといつて、邸内やしきうちにあるきぬ綿わたぜにのありたけをして路用ろようにさせました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
そこで先づ何んとなく上品で美しいお玉に當つて見ると、こいつは飛んだ大伴おほとも黒主くろぬしで、すぐ宇三郎に喰ひ下がつて、年の違ひも忘れて妙な仲になつてしまつた。
橿原宮の御即位の式には、大伴おほとも氏、久米くめ氏、物部もののべ氏の祖は、ほこを執つて、儀衛に任じ、斎部いむべ氏、中臣なかとみ氏の祖は、恭々しく御前に進み出て、祝詞を言上し奉つてゐる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
かれその天の忍日の命、こは大伴おほともむらじ等が祖。天つ久米の命、こは久米の直等が祖なり。
巻一(六三)の、「いざ子どもはやく大和やまと大伴おほとも御津みつの浜松待ち恋ひぬらむ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
素性すぜうへずは目的もくてきでもいへとてめる、むづかしうござんすね、いふたら貴君あなたびつくりなさりましよ天下てんかのぞ大伴おほとも黒主くろぬしとはわたしこととていよ/\わらふに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かれ物部もののべ荒甲あらかひ大連おほむらじ大伴おほとも金村かなむらの連二人を遣はして、石井を殺らしめたまひき。
「だから、謀叛人、綺麗な顏はしてゐるが、飛んだ大伴おほとも黒主くろぬしぢやありませんか」