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喇叭
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ラッパ
ふりがな文庫
“
喇叭
(
ラッパ
)” の例文
かくてカミイル・デスモリンの熱烈なる雄弁はバスチル牢獄と苛酷なる政治とあらゆる伝習とを顛覆するエリコの前の
喇叭
(
ラッパ
)
であつた。
少数と多数
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
それが、始め上体に衝動が起ったと見る間に、両眼を
睜
(
みひら
)
き口を
喇叭
(
ラッパ
)
形に開いて、ちょうどムンクの老婆に見るような無残な形となった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
喇叭
(
ラッパ
)
を
極
(
き
)
めると、すぐそのまま、大事そうに仕舞い込んでしまった、別に飲みたくはないが、むらむらっと疳癪が込み上げて来た。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
どうしても入って来ないようなら、力づくで引っ張り込まなければなりません。「呼び込み」は
喇叭
(
ラッパ
)
とタンボリンを使うこと。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
坑壁いっぱいに質のいゝ黄銅鉱がキラ/\光って見える。彼は、鉱脈の拡大しているのに従って、坑道を
喇叭
(
ラッパ
)
状に掘り拡げた。
土鼠と落盤
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
▼ もっと見る
この群衆の中を行く時、御者は小さな
喇叭
(
ラッパ
)
を調子高く吹き鳴らし、先に立って走る馬丁は奇怪きわまる叫び声をあげた。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
と大きな声を出しながら、四
合瓶
(
ごうびん
)
の
喇叭
(
ラッパ
)
を吹いていた一人が、ヒョロヒョロと前に出て来た。トロンとした眼を据えて
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
隣室で時計が十一時を報じ、なま暖かい
春陽
(
はる
)
の光が洪水のように室に充ち窓下の往来を楽隊が、笛や
喇叭
(
ラッパ
)
を吹きながら通って行くのも陽気であった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
博士の乗ったランチがくると、駆逐艦では敬意を表して、甲板上に
喇叭
(
ラッパ
)
手が整列して国歌をりょうりょうと吹奏した。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
喇叭
(
ラッパ
)
の響のみならず、昼の
中
(
うち
)
は馬場の
砂烟
(
すなけむり
)
が折々風の吹きぐあいで灰のように飛んで来て畳の上のみならず
襖
(
ふすま
)
をしめた
押入
(
おしいれ
)
の内までじゃりじゃりさせる事がある。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
深い煙突のやうな形をした花冠の中から此の蜜を吸ひ出すのに、蝶は長い
喇叭
(
ラッパ
)
のやうな管を持つてゐる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
橘家圓太郎を襲名するについて高座で吹き鳴らしたいと言っていた真鍮の
喇叭
(
ラッパ
)
、豆腐屋さんが皆献納してしまったので入手困難だとかねがね百圓君が言っていたが
随筆 寄席風俗
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
ピアノの上にはどす黒いラジオの
喇叭
(
ラッパ
)
が載っている。その室内には白いテエブルクロースを掛けた食卓が三列に流れ、中央のにはピアノを背にして船長が腰かける。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
忠公のお母さんの肩掛を着せたら、少しは象らしくなったが、牙がなくては
何
(
ど
)
うも拙い。それで何かの
益
(
やく
)
に立つだろうと思って持って来た伯父さんの
喇叭
(
ラッパ
)
を
啣
(
くわ
)
えさせた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
六年間肺病と
闘
(
たたか
)
っていた父の生涯、初めて秋田の女学校へ入るために、町から乗って行った古風な馬車の
喇叭
(
ラッパ
)
の音、同性愛で教育界に一騒動おこったそのころの学窓気分
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二、三間
隔
(
お
)
きに箱の主がいて、
牀几
(
しょうぎ
)
に腰をかけたり、ぼんやり、セーヌ
河畔
(
かはん
)
の釣客を眺めたり、煙草の煙を輪に吐いたり、葡萄酒の
喇叭
(
ラッパ
)
飲みをしたり、
居睡
(
いねむり
)
をしたりしている。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
曹長の報告はまだ続いて、カルポフが
喇叭
(
ラッパ
)
の新しい紐と天幕の
杙
(
くい
)
を忘れたとか、将校の方々が昨夜フォン=ラッベク将軍のお邸へ
招
(
よ
)
ばれて行かれましたとか述べ立てて行った。
接吻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして、連隊本部のちょっと手前になった、朝夕
喇叭
(
ラッパ
)
を吹く
辺
(
あたり
)
まで往くと、不意に消えたような
森
(
しん
)
となってしまい、兵営は何事もなかったように元の静けさにかえるのであった。
戦死者の凱旋
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そのとき、向こうの方で、あわただしく集合
喇叭
(
ラッパ
)
が鳴った。さっきの呼笛を聞きつけて、警備班が出動をはじめたらしい。早くも奥の通路から、入りみだれた靴音が聞えてきた。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして、室内へ入ると即座に吊り革へぶら下って、ウイスキーの
喇叭
(
ラッパ
)
飲みをやった。
恐怖
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
誰か見物人が……恐らく二高の生徒であろう……そっと手をのばして
喇叭
(
ラッパ
)
をやったに違いない。会が済んだら飲んでやろうと、実は心まちに待っていた我々幹事は、大いに憤慨した。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
それを語尾一つ
曖昧
(
あいまい
)
にせずに、はっきり言う。純一は国にいたとき、九州の大演習を見に連れて
行
(
ゆ
)
かれて、師団長が将校集まれの
喇叭
(
ラッパ
)
を吹かせて、命令を伝えるのを見たことがある。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
間の延びた
物哀
(
ものあわれ
)
な角笛の音律を聞くともなく聞いていたのであったが、意識がようやく醒めて来るに従って、節まわしが少し巧者過ぎるから
喇叭
(
ラッパ
)
ではないか知らんなどとも疑ったりした。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ふたたび聞える戦闘
喇叭
(
ラッパ
)
の声、勇ましいひびきが宵やみの中へ消えてゆく。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
それはわたしの耳には最後の審判の日の
喇叭
(
ラッパ
)
のようにひびいたのです。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
最後の審判の
喇叭
(
ラッパ
)
でも待つように、ささやきもせず立ち連なった黄葉の林。それらの秋のシンボルを静かに乗せて暗に包ませた大地の色は、鈍色の黒ずんだ紫だった。そのたけなわな秋の一夜のこと。
フランセスの顔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
再びこの
室
(
へや
)
は深々とした沈黙に支配されて、それまでは、耳に入らなかった潮鳴りが耳膜を打ち、駅馬車の
喇叭
(
ラッパ
)
の音が、微かに聴えてきた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
オーケストラの、風変りなことは、サンフランシスコで聞いた支那楽以上であるが、あの耳をつんざくような
喇叭
(
ラッパ
)
の音がしないことは気持がよい。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
そのうちに福岡にも鎮台が設けられて、町人百姓に洋服を着せた兵隊が雲集し、チャルメラじみた
喇叭
(
ラッパ
)
を鳴らして
干鰯
(
ほしいわし
)
の行列じみた調練が始まった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
遠くで
喇叭
(
ラッパ
)
が響いて、耳の端でわーっと騒ぎ出した、爪立ってそっちを見ると、行列が狭い往来を一杯にねって来る。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
やがて明治御一新後十年、高座に乗合馬車の御者の真似して
喇叭
(
ラッパ
)
を吹き、今にラッパの圓太郎と諷わるるはじつにこの萬朝だったのであるが、それはまだまだ後のお話。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
竜宮風の城砦が今まさに炎上しつつある赤と黒との
凄
(
すさ
)
まじい煙の前面で、カーキ服の銃剣、
喇叭
(
ラッパ
)
、聯隊旗、眼は釣り上って、歯を喰いしばりの、勇猛無双の突貫突貫、やあ
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
三つの洋車は、ぽそぽそと
喇叭
(
ラッパ
)
もならさず、人ごみの中を引いて行かれた。俥夫は、強制的に狩り出された。一度罪人を運ぶと、一生涯運気が上がらない。そういう迷信があった。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「総員起し」の
喇叭
(
ラッパ
)
が、艦の隅から隅へとひびくのであった。水兵たちは、また元気に甲板上を、そうして狭い艦内をとびまわる。平生とは、なんの変ったこともない風景であった。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
城砦
(
じょうさい
)
の模型、軍船の模型、洋刀の模型、
背嚢
(
はいのう
)
の模型、馬具の模型、測量器、靴や軍帽や
喇叭
(
ラッパ
)
や軍鼓や、洋式軍服や携帯テントや望遠鏡というようなものが、整然として置かれてあり
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
内部は一間きりの広々とした四角な部屋で、大きな
囲炉裏
(
いろり
)
の壁の上には、鹿の首や、
賞牌
(
メダイユ
)
や、ひからびた
姫鱒
(
ひめます
)
や、
喇叭
(
ラッパ
)
銃や、そのほか訳のわからぬものが無数に飾り付けられてあった。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
伯父さんは
聾耳
(
つんぼ
)
である。つんぼもつんぼも
金
(
かな
)
つんぼだ。唯話をしたって通じない。お前は馬鹿だよと言っても笑っている。
喇叭
(
ラッパ
)
のようなものを耳に当てがって、大きな声を出さなければ聞えない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あらしに消ゆる
喇叭
(
ラッパ
)
の声を聞かざりしか。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
親の
脛
(
すね
)
を噛じって野球をやったり、女給の尻を嗅ぎまわったり、豆腐屋の
喇叭
(
ラッパ
)
みたいな歌を唄ったりした功労によって卒業免状という奴を一枚貰うと
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
大
喇叭
(
ラッパ
)
の揺動と高音とは、よしんば吹きようが拙劣でも、必ず景気のいいものだが、而も批評的にいうと、演奏の十中八、九までは、我国の田舎のあたり前の楽隊が
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
私が彼女と吹き込んだ時代はたいていどこのレコード会社もいまだいわゆる
喇叭
(
ラッパ
)
吹き込みだった(ビクターへ吹き込む頃になってやっと各社とも今日の電気吹き込となった)
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「ええ、今度は新潟甚句。」「ええ、さてその次といたしまして三がい節。」「関の五本松。」「さのさ。」「
喇叭
(
ラッパ
)
ぶし。」「キンライライ。」「へらへらへ。」「八木ぶし。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
喇叭
(
ラッパ
)
を吹いてる男もあった、彼等の野良への出かえりに、声をそろえて歌う国歌には
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
とつぜん
喇叭
(
ラッパ
)
が鳴り響いた。総員整列だ。時計を見ると出発まで、あと三十分だ。
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
壁には、子供がかぶるピエロの帽子。卓には、オモチャの
喇叭
(
ラッパ
)
や模型の
海賊船
(
ヴァイキング・シップ
)
。
「太平洋漏水孔」漂流記
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
物置きに投げ込んであった
喇叭
(
ラッパ
)
銃に煙硝と鹿
撃
(
う
)
ちのばら玉をあふれるばかり詰め込み、
藁
(
わら
)
をたたいて詰めをし、窓の隙間から筒口を出して
昨夜
(
ゆうべ
)
幽霊が退場した雑木林の入口に見当をつけ
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
酒は、ビンから
喇叭
(
ラッパ
)
のみにして、八人の口から口にまわった。兵士たちの、うまそうな、嬉しげな様子を見ると、とうとう深山軍曹も手を出した。そして、しまいには酔った。眼のふちが紅くなった。
前哨
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
昨年の秋あたり、制服の詰め襟の背を割いて、袖口を腕の処よりも広くした、所謂
喇叭
(
ラッパ
)
袖を尾行して行くと、大抵不良行為を発見したと、警視庁の捜索課では云う。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
かの乗合馬車の御車の口真似して喇叭吹き鳴らし、俗に
喇叭
(
ラッパ
)
の圓太郎。滑稽音曲噺の達人。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
それから
野山羊
(
のやぎ
)
、……こいつがまた変ったやつでしてね。毎朝自分の方からのこのこやって来ちゃ乳を置いて行くんです。いずれそのうちに
喇叭
(
ラッパ
)
を吹いてやって来るようになるだろう、って話です。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
“喇叭”の意味
《名詞》
喇 叭(らっぱ、ラッパ)
一般的に現在金管楽器といわれるもののこと。
(出典:Wiktionary)
“喇叭(ラッパ)”の解説
ラッパ
ラッパ(喇叭)は、円錐形金管楽器の呼称である。先の広がった金属製の管の反対側の端に唇を当てて息を吹き込み、唇の振動する音を金属管で増幅して吹鳴する楽器の総称である。俗にトランペットなども含むが、特にビューグルなどバルブのない単純な構造のものをいう。
(出典:Wikipedia)
喇
漢検1級
部首:⼝
12画
叭
漢検1級
部首:⼝
5画
“喇叭”で始まる語句
喇叭節
喇叭卒
喇叭手
喇叭状
喇叭管
喇叭呑
喇叭銃
喇叭飮
喇叭乱吹