トップ
>
即
>
そく
ふりがな文庫
“
即
(
そく
)” の例文
つまりさ、君が、日常
嬉
(
よろこ
)
んだり、怒ったり、考えたり、悲しんだりすることがあるだろう。その最も君に
即
(
そく
)
したことを書けって言うんだ。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
上皇の、この御一言に、うるさ
方
(
がた
)
の公卿
沙汰
(
ざた
)
も、一応は、
退
(
ひ
)
きさがったが、しかし陰性は、
即
(
そく
)
公卿性である。決して、
熄
(
や
)
んだわけではない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その、落ちるところを空に引ッ掴んで、チャリイン! 丹波の突きを下から
弾
(
は
)
ね上げながら、
即
(
そく
)
、
豹
(
ひょう
)
のように躍って横地半九郎へ襲い掛った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
中には
生別
(
せいべつ
)
即
(
そく
)
死別
(
しべつ
)
となった人も一二に止まらない。生きては居ても、再び
逢
(
あ
)
うや否疑問の人も少くない。此杉は彼にとりて
見送
(
みおくり
)
の杉、さては別れの杉である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
すべてそうしたことは、かれのこれからの生活の事実に
即
(
そく
)
して判断するよりほかはないであろう。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
兵馬の姿が明らかに見える! ということが小次郎にとっては、
即
(
そく
)
恐ろしいことであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
して見ると、劉は
即
(
そく
)
酒虫、酒虫は即劉である。だから、劉が酒虫を去つたのは自ら己を殺したのも同前である。つまり、酒が飲めなくなつた日から、劉は劉にして、劉ではない。
酒虫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一切空だと悟ったところで、
空
(
くう
)
はそのまま
色
(
しき
)
に
即
(
そく
)
した空であるかぎり、煩わしいから、厭になった、
嫌
(
きら
)
いになった、つまらなくなったとて、うき世を見限ってよいものでしょうか。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
譬えばスナワチという
詞
(
ことば
)
にも
即
(
そく
)
の字があり、
乃
(
ない
)
の字があり、
則
(
そく
)
の字があり、
便
(
べん
)
の字があり、ヨルという詞にも
因
(
いん
)
の字があり、
由
(
ゆ
)
の字があり、
縁
(
えん
)
の字があり、
凴
(
ひょう
)
の字があり、
拠
(
きょ
)
の字があり
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
前にも云う通りついでだから分化作用に
即
(
そく
)
して彼らの使命の一端を
挙
(
あ
)
げたのに過ぎんのである。したがって文学全体に
渉
(
わた
)
っての御話をするときには今少し
概括的
(
がいかつてき
)
に出て来なければならぬ訳です。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まぎれもない
弥陀如来
(
みだにょらい
)
のすがただ。もちろん、精巧ではないが、童心
即
(
そく
)
仏心である。どんな名匠の技術でも生むことのできないものがこもっている。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すぐ社会運動に
即
(
そく
)
するし、芸術的モーションを抱いてる人は芸術的の創作に即するという様に昔の女性は何となく一つの新しいということの憧憬があった。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そこを、踏みこたえた泰軒、剣を棄てて四つに組む——と見せて、
即
(
そく
)
に腰をひねったからたまらない。あおりをくった岡崎兵衛、
諸
(
もろ
)
に手を突いて地面をなめた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
されど
一事
(
いちじ
)
に
即
(
そく
)
し、
一物
(
いちぶつ
)
に
化
(
か
)
するのみが詩人の感興とは云わぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「誰がって親分、
呆
(
とぼ
)
けちゃいけねえ、
犯人
(
ほし
)
さあね、辰さ。とんぼの畜生、おいらがお菊坊をばっさりやったに違えねえと、ねえ親分、
即
(
そく
)
に口を割りやしたろう、え?」
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
けれど北条氏百数十年らいの六波羅政庁の陥落は、
即
(
そく
)
、無政府状態を発生していたことなので
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろん、僧
即
(
そく
)
兵。——ここにも南都、
叡山
(
えいざん
)
に劣らない法師武者が充満しているのである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といい
条
(
じょう
)
、
発見
(
みつ
)
けた以上は役目柄叱らない訳にもいかず、そんなことをしていては日もまた足らずなので、そこで歴代の大目附が、経験と必要に
即
(
そく
)
して案出したのがこの咳払いである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
われら城中の者を、
不愍
(
ふびん
)
と思し召され、まことに御仁慈のこもった御命ではありますが、この一城は、今や全中国の
要
(
かなめ
)
、高松の落ちることは、
即
(
そく
)
、毛利家の失墜を意味します。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあよい。こっちのことは第二にして、お前さんも、そうやってわざわざ出て来なすったからにゃア、何か大切な用があってのことだろう? そいつを一つ、
即
(
そく
)
に聞こうじゃねえか」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
総帥
(
そうすい
)
の在るを示して、この先鋒隊の位置が、
即
(
そく
)
、中軍となったことを
顕
(
あら
)
わすのであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何百万という読者は、それ自体
即
(
そく
)
“大智識”であると思う。郷土のこと、建築や服飾のこと、風俗、植物のことなど、何かしら各〻一つは作家よりも
上手
(
うわて
)
な智識とか専門を持っている。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六波羅の失陥は、
即
(
そく
)
、都の喪失である。鎌倉との連絡もこれからはおぼつかない。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼のいるところ
即
(
そく
)
本営といってよい。その本陣は堀川に
駐
(
とど
)
まっていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(この人のために尽すことは、
即
(
そく
)
、世のために報ずることだ)
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
即
(
そく
)
、准后の
廉子
(
やすこ
)
へたてをつくことにもなるからだ。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山に近代を附加すると、山は
即
(
そく
)
、下界になった。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蜚語流言
(
ひごりゅうげん
)
を放つもの
即
(
そく
)
死罪
(
しざい
)
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“即”の意味
《形容動詞》
即(そく)
すなわち。同時に。
わずかな時間が過ぎるうちに。
(出典:Wiktionary)
即
常用漢字
中学
部首:⼙
7画
“即”を含む語句
即刻
即座
即興
即死
即日
不即不離
即時
即効紙
煩悩即菩提
即位
即興詩人
即答
即物的
色即是空
当意即妙
即夜
即坐
即身
即席
即吟
...