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半切
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はんきれ
ふりがな文庫
“
半切
(
はんきれ
)” の例文
坂井の奥さんが
叮嚀
(
ていねい
)
に説明してくれたそうであるが、それでも
腑
(
ふ
)
に落ちなかったので、主人がわざわざ
半切
(
はんきれ
)
に
洒落
(
しゃれ
)
と
本文
(
ほんもん
)
を並べて書いて
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お品は少し照れながらも、
半切
(
はんきれ
)
と
硯箱
(
すずりばこ
)
を借りて「大舟町市兵衛百四十四夜」と
認
(
したた
)
め、
極
(
きま
)
り悪そうに平次の前に押しやりました。
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俊助は野村の手紙を
披
(
ひら
)
いた時、その
半切
(
はんきれ
)
を
埋
(
うず
)
めているものは、多分父親の三回忌に関係した、家事上の
紛紜
(
ふんうん
)
か何かだろうと云う、
朧
(
おぼろ
)
げな予期を持っていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
封じ目を固くして店の硯箱の上の
引出
(
ひきだし
)
に
半切
(
はんきれ
)
や状袋を入れる間へ
揷
(
はさ
)
んで、母が時々半切や状袋を出すから、此処へ入れて置けば屹度目に入ろうと斯様に致し
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
行燈は前の障子が開けてあり、
丁字
(
ちょうじ
)
を結んで油煙が黒く
発
(
た
)
ッている。
蓋
(
ふた
)
を開けた
硯箱
(
すずりばこ
)
の傍には、端を引き裂いた
半切
(
はんきれ
)
が転がり、手箪笥の
抽匣
(
ひきだし
)
を二段斜めに重ねて、唐紙の
隅
(
すみ
)
のところへ押しつけてある。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
兄は
洋卓
(
テーブル
)
の上の手紙を取って自分で巻き始めた。静かな部屋の中に、
半切
(
はんきれ
)
の音がかさかさ鳴った。兄はそれを元の如くに封筒に納めて懐中した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「笑はなきや言ひますがね、
天地紅
(
てんちべに
)
の
半切
(
はんきれ
)
に、綺麗な
假名文字
(
かなもじ
)
で、——一と
筆
(
ふで
)
しめし上げ
※
(
まゐらせさふらふ
)
——と來ましたね、これならあつしだつて讀めますよ」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄
(
あに
)
は
洋卓
(
てえぶる
)
の
上
(
うへ
)
の手紙を
取
(
と
)
つて自分で
巻
(
ま
)
き始めた。
静
(
しづ
)
かな部屋の
中
(
なか
)
に、
半切
(
はんきれ
)
の
音
(
おと
)
がかさ/\
鳴
(
な
)
つた。
兄
(
あに
)
はそれを
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くに封筒に納めて懐中した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小六
(
ころく
)
には
無論
(
むろん
)
分
(
わか
)
らなかつたのを、
坂井
(
さかゐ
)
の
奧
(
おく
)
さんが
叮嚀
(
ていねい
)
に
説明
(
せつめい
)
して
呉
(
く
)
れたさうであるが、
夫
(
それ
)
でも
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちなかつたので、
主人
(
しゆじん
)
がわざ/\
半切
(
はんきれ
)
に
洒落
(
しやれ
)
と
本文
(
ほんもん
)
を
並
(
なら
)
べて
書
(
か
)
いて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしいざとなって、
半切
(
はんきれ
)
を取り上げると、書く事はたくさんあるが、何から書き出していいか、わからない。あれにしようか、あれは
面倒臭
(
めんどうくさ
)
い。これにしようか、これはつまらない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
机の
抽出
(
ひきだし
)
を一つずつ抜いて、いつとなく溜った往復の書類を裂いては捨て、裂いては捨る。
床
(
ゆか
)
の上は千切れた
半切
(
はんきれ
)
で膝の所だけが
堆
(
うずたか
)
くなった。甲野さんは乱るる
反故屑
(
ほごくず
)
を踏みつけて立った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つづく雨の
或
(
あ
)
る
宵
(
よい
)
に、すこし
病
(
やまい
)
の
閑
(
ひま
)
を
偸
(
ぬす
)
んで、下の風呂場へ降りて見ると、
半切
(
はんきれ
)
を三尺ばかりの
長
(
ながさ
)
に切って、それを細長く
竪
(
たて
)
に
貼
(
は
)
りつけた壁の色が、暗く映る
灯
(
ひ
)
の陰に、ふと余の視線を
惹
(
ひ
)
いた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
月が西に傾いたので、白い光りの一帯は
半切
(
はんきれ
)
ほどに細くなった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
津田はまた自分の前に
粋
(
いき
)
な模様入の
半切
(
はんきれ
)
を
拡
(
ひろ
)
げて見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“半切”の意味
《名詞》
半 切(はんせつ)
半分に切ること。
唐紙や画仙紙などの全紙を縦に半分に切ったもの。
(出典:Wiktionary)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“半”で始まる語句
半
半分
半刻
半纏
半襟
半纒
半身
半年
半歳
半間