処置しょち)” の例文
旧字:處置
これ程までに力を入れてくれる君に、不首尾な結果を告げるのは、何とも心苦しいかぎりだが、さりとて、包んでもおけない京極家の不埒ふらち処置しょち
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
政府より売出すにはやはり法定ほうていの価格にるの外なくしてみすみす大損を招かざるを得ざるより、その処置しょちにつき勘考中かんこうちゅう、カションこれを聞き込み
かく神様かみさまんなききわけのないわたくし処置しょちにはほとほとおかれたらしく、いろいろとをかえ、しなをかえて御指導ごしどうろうってくださいましたが
主人しゅじんかんがえこんでいました。バケツにみずれなければならない。おとしのはいおおきなバケツでなくてはならぬ。それから、んだねずみの処置しょちもしなければならぬ。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
娘の言うところによると、あまりのことに見かねて即刻そっこく帰宅の手続をして来た。だが、当局とうきょくは、非常に反対の様子を示したとのことである。私は直感的にその処置しょちを賞めるの外はなかった。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「それを使えば、敵側は全く処置しょちなしというすごいものを御提供願いたい。そのお礼の一つとして、博士をアラスカへ御案内したいですな。エスキモーの燻製など、天下の珍味でございますよ」
それが一番の御処置しょちでござります。では、わたくしめは琴二郎様のほうを受け持って、専心せんしんに眼を光らせますでござりますから、伊豆伍と筆屋のほうは、何分ともにどうぞよろしくおとり扱いを
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼女等の感覚によって大過たいかなく日常を処置しょちしているようである。
とゴルドンが、次郎の機敏きびん処置しょちを感謝した。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
さすが、甲州流こうしゅうりゅう軍学家ぐんがっか智謀ちぼうのたけた民部みんぶといえども、この急迫きゅうはく処置しょちには、ほとんど困惑こんわくしたらしく、憂悶ゆうもんの色がそのおもてをくらくしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真実しんじつ外国干渉のうれいあるを恐れてかかる処置しょちに及びたりとすれば、ひとみずから架空かくう想像そうぞうたくましうしてこれがために無益むえき挙動きょどうを演じたるものというの外なけれども
かみとしてもっといましむべきは怠慢たいまん仕打しうち同時どうじもっとつつしむべきは偏頗不正へんばふせい処置しょちである。怠慢たいまんながるるときはしばしば大事だいじをあやまり、不正ふせいながるるときはややもすれば神律しんりつみだす。
刑事は私の処置しょちをどうしたものかとためらった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
因果いんがめぐる)……と、おかしくもなってくるし、(これは、苦手)と、時々、信雄の人の好さから来る無恥むちと無反応に、処置しょちのないおそれも感じさせられた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは双方そうほう板挟いたばさみとなって、この場合ばあいをどう処置しょちしていいのか、ほとんど、とうわくしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか、野武士のぶしでも、なかなか作法さほう心得こころえている。そちのうち食客しょっかくしているあいだ、じゅうぶんにいたわってとらせろ。そのうちに、なにか、適宜てきぎ処置しょちをとってつかわす」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何の御斟酌ごしんしゃくですか。主君を殺した逆臣に組する弓矢は忠興にはありません。——妻の処置しょちは、良人たるわたくしの胸でします。そして、信長公の御無念をはらさんとする何人とも力を協せて、光秀を