-
トップ
>
-
其座
>
-
そのざ
これらの
真景をも
其座にうつしとりたるを
添て
贈りしに、玉山翁が
返書に、
北越の雪
我が
机上にふりかゝるがごとく目をおどろかし候
唯亂暴一
途に
品川へも
足は
向くれど
騷ぎは
其座限り、
夜中に
車を
飛ばして
車町の
破落戸がもとをたゝき
起し、それ
酒かへ
肴と、
紙入れの
底をはたきて
無理を
徹すが
道樂なりけり
負せられては
最早了簡ならず今一度言て見よ己れ
其座は立せじと
刀追取膝立直し
怒の
目眥り
釣上て
發打と
白眼付けれ共久兵衞は少しも驚く氣色なく
否盜人に
相違なし百兩盜みし
大盜賊と大聲
揚て
鳴わめけば爰に至りて文右衞門は
耐忍兼一
刀すらりと
拔放し只一
打と
振上るに久兵衞は