トップ
>
何方
>
いずかた
ふりがな文庫
“
何方
(
いずかた
)” の例文
そのほかに
何方
(
いずかた
)
よりか千疋の借金を宗祇にしてもらったことが、三度ほど日記に見えており、千疋以下の借入れを頼んだこともある。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
「俺はこちらに縁辺もなし、訪ねてやる
知人
(
しりびと
)
とてもない。ま、留守は俺がしているから、今夜が最後だ、
何方
(
いずかた
)
へなりとも行ってこられい」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
平和を破ったのは露国であるというが、露国から言えば日本なりと言う。これは水掛論で、果して
何方
(
いずかた
)
が破ったかということは、よほど疑問である。
平和事業の将来
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
何方
(
いずかた
)
より金掘り
罷
(
まか
)
り越し候とも当家へ申しことわり掘り申すべく、この
旨
(
むね
)
をそむく者あるにおいてはクセ事なるべきものなりとあるんでございます。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何方
(
いずかた
)
にか行かんと行きつ戻りつして
労
(
つか
)
れ死にせしを埋めたる跡なりとて、
林道春
(
はやしどうしゅん
)
の文を
雕
(
ほ
)
りたる石碑立てりとある。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
平「おゝよく尋ねて呉れた、別にさしたる事もないが、して手前は今まで
何方
(
いずかた
)
へか奉公をした事があったか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
剰
(
あまつさ
)
へ
何方
(
いずかた
)
にて召されしものか、御酒気あたりを
薫
(
くん
)
じ払ひて、そのおそろしさ、身うちわなゝくばかりに侍り。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
事もなげに此方に近より、男のすぐ前を通りて
何方
(
いずかた
)
へか行き過ぎたり。この人はその折の
怖
(
おそ
)
ろしさより
煩
(
わずら
)
い
始
(
はじ
)
めて、久しく
病
(
や
)
みてありしが、近きころ
亡
(
う
)
せたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
狂言の小歌にも「
爰
(
ここ
)
通る熊野道者の、手に持つたも梛の葉、笠にさいたも梛の葉、これは
何方
(
いずかた
)
のお
聖
(
ひじり
)
様ぞ、笠の内がおくゆかし、大津坂本のお聖様、おゝ勧進聖ぢや」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
何方
(
いずかた
)
に一戦が始まるとしても近ごろは
穀留
(
こくど
)
めになる憂いがある。中には一か年食い継ぐほどの
貯
(
たくわ
)
えのある村もあろうが、
上松
(
あげまつ
)
から上の宿々では飢餓しなければならない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
されど
年比
(
としごろ
)
売尽し、かり尽しぬる後の事とて、この店を閉ぢぬるのち、
何方
(
いずかた
)
より一銭の入金のあるまじきをおもへば、ここに思慮を
廻
(
めぐ
)
らさざるべからず。さらばとて運動の方法をさだむ。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
一 我里の親の
方
(
かた
)
に
私
(
わたくし
)
し夫の方の親類を次にすべからず。正月節句抔にも先づ夫の方を勤て次に我親の方を勤べし。夫の許さゞるには
何方
(
いずかた
)
へも行くべからず。私に人に
饋
(
おくり
)
ものすべからず。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
奥州筋近来の凶作にこの寺も大破に及び、住持となりても食物乏しければ僧も
不住
(
すまず
)
、
明寺
(
あきでら
)
となり、本尊だに
何方
(
いずかた
)
へ取納めしにや寺には見えず、庭は草深く、誠に
狐梟
(
こきょう
)
のすみかというも
余
(
あまり
)
あり。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
久政も此程遠藤が申すことを一度も用ひずして
宜敷事
(
よろしきこと
)
無りしかば、此度
許
(
ばか
)
りは喜右衛門
尉
(
じょう
)
が申す旨に同心ありて、然らば朝倉殿には織田と遠州勢と二手の内
何方
(
いずかた
)
へ向はせ給ふべきかと申せしにより
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
市井の無頼らが命の価を得んとて戦場に
赴
(
おもむ
)
くあるのみ、他は皆南方の風にも震えり、しかれども熊本城ははるかに雲のあなたにて、ここは山川四十里隔たる離落、
何方
(
いずかた
)
の空もいと穏やかにぞ見えたる
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
『
東武談叢
(
とうぶだんそう
)
』その他の
聞書
(
ききがき
)
に見えているのは、慶長十四年の四月四日、駿府城内の御殿の庭に、
弊衣
(
へいい
)
を着し乱髪にして
青蛙
(
あおがえる
)
を食う男、
何方
(
いずかた
)
よりともなく現れ来る。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何方
(
いずかた
)
でも、通俗驢を愚鈍の標識のようにいえど、いわゆるその愚は及ぶべからずで、わざと
痴
(
たわ
)
けた風をして見せ、人を笑わすような滑稽智に富む由、ウッドは言った。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其の侍を取押えて
上
(
かみ
)
に厄介を掛けても亭主の
仇
(
あだ
)
を討ちたいという精神から致して漸く尋ね当てた事である、
迚
(
とて
)
も
逃
(
のが
)
れる道はない、さア
何方
(
いずかた
)
に
於
(
おい
)
て毒薬調合致したか、それを申せ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
落葉、
朽葉
(
くちば
)
堆
(
うずたか
)
く水くさき土のにほひしたるのみ、人の
気勢
(
けはい
)
もせで、
頸
(
えり
)
もとの
冷
(
ひやや
)
かなるに、と胸をつきて見返りたる、またたくまと思ふ
彼
(
か
)
の
女
(
ひと
)
はハヤ見えざりき。
何方
(
いずかた
)
にか去りけむ、暗くなりたり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
奉「当月九日の
夜
(
よ
)
、柳島押上堤において長二郎のために
殺害
(
せつがい
)
された幸兵衛という者は、如何なる身分職業で、龜甲屋方に入夫にまいるまで、
何方
(
いずかた
)
に住居いたして居った者じゃ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(1)
素盞嗚尊
(
すさのおのみこと
)
と
月読尊
(
つきよみのみこと
)
とは同神か異神か、(2)高天の原は
何方
(
いずかた
)
にありや、(3)持統天皇、春過ぎての歌の真意
如何
(
いかん
)
など、呆れ返ったことを問いに県属が来るに、よい加減な返事を一
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かかる人夫四五人もありてその後も絶えず
何方
(
いずかた
)
へか出でて行くことありき。この者どもが後に言うを聞けば、女がきて
何処
(
どこ
)
へか連れだすなり。帰りてのちは二日も三日も物を覚えずといえり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
明日一小児門外に棄てあり、何者と知れず、
健
(
すこや
)
かに見えしとて、憐れんで
己
(
おの
)
が子のごとく養ひ、成長後嗣子とせり、
本
(
もと
)
より子なかりしを知りて、
何方
(
いずかた
)
よりか奪ひ来りしとみゆ、狼つれ来りし証は
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
山「只今は
何方
(
いずかた
)
に」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“何方”で始まる語句
何方様
何方付
何方側
何方樣
何方迄