下車げしや)” の例文
齋藤巡査さいとうじゆんさ眞鶴まなづる下車げしやしたので自分じぶん談敵だんてきうしなつたけれど、はら入口いりくちなる門川もんかはまでは、退屈たいくつするほど隔離かくりでもないのでこまらなかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
こゝは釜山ふざんから京城けいじよう汽車きしやつて、一時間いちじかんばかりで大邱たいきゆうき、そこで下車げしやして自動車じどうしやひがしほう三四時間さんよじかんはしるとすぐかれるところです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
上諏訪かみすはかれ下車げしやしたときまで、べつ何事なにごともなく、くさにもにもらず、さけのみとえて、はなさきあかいのが、のまゝかきにもらないのをむしあやしむ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
汽船とぐ接続するオスタンド発の汽車に乗つたが途中ガン市に住んで居る画家の児島君をふ約束をして置いたにかゝはらず、その所書アドレツス巴里パリイへ忘れて来た事に気が附いたので下車げしやを見合せ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
……なかで、山高やまかた突立つきたち、背広せびろかたつたのは、みな同室どうしつきやく。で、こゝでその一人ひとり——上野うへのるときりたまゝのちや外套氏ぐわいたうしばかりをのこして、こと/″\下車げしやしたのである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)