“なえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
61.8%
地震8.8%
汝兄5.9%
5.9%
早苗2.9%
2.9%
2.9%
稲苗2.9%
緑秧2.9%
萎靡2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかし金持かねもちのんでいた屋敷やしきも、れはててそのままになっていたが、いつしか、そこにもなしのなえは、えられたのです。
「さても、お持病の癇癖かんぺきがなせるわざには違いなかろうが、そら恐ろしい事を口にし給うものよ。先頃の地震なえに、心の支柱ささえをとり外し、気でも狂わせ給うたか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
野に放ちこやせし馬ぞこれ見よと汝兄なえが青駒ほこらくは今ぞ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あはせ、ござ、むしろとなりして、外濠そとぼりへだてたそらすさまじいほのほかげに、およぶあたりの人々ひと/″\は、おいわかきも、さんみだして、ころ/\とつて、そしてなえたやうにみなたふれてた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どこの町でも魚類売さかなうりは行商人あきないにん花形役者はながたで……早乙女あんにゃんが採った早苗なえのように頭の天頂てっぺん手拭てのごいをチョット捲き付けて
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ワア/\なえてる処へおらア旦那が通り掛り、飛んだことだが、みんな因縁だ、泣くなと、あにさんと云いあねさんと云いかゝさままでもそういうしにざまをするというのは約束事だから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
左側はなえを植えたばかりの水田になって、その水は黒い中にどろどろしたぬめりを見せていた。そこからは一面にかわずの声が聞こえていた。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
昨年から拓かれた分には、もう稲苗なえが青々と植っていた。
土地 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
苗代の水にうつ青空あおぞらさざなみが立ち、二寸ばかりの緑秧なえが一本一本すずしくなびいて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ここに至りては予は実にうれしくして、一種言うべからざるの感にうたれて、知らず識らず震慄しんりつして且つ一身は萎靡なえるが如きを覚えたり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)