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たうせい
語句 | 割合 |
當世 | 29.4% |
桃青 | 29.4% |
当世 | 23.5% |
陶製 | 5.9% |
濤声 | 5.9% |
盜性 | 5.9% |
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聞給ふとなりまことにありがたき事なり然るに
當世奉行役人は町人百姓を
夜中にてもかまはず
呼出し
腰かけに
苦勞を
はじめ
宗房といへり、季吟翁の
句集のものにも宗房とあり。
延宝のすゑはじめて江戸に来り
杉風が家に
寄、(小田原町鯉屋藤左ヱ門)
剃髪して
素宣といへり、
桃青は
后の名なり。
裾曳摺りて
奥様といへど、女は
竟に女
也当世の
臍繰要訣に
曰く出るに
酒入つても
酒、つく/\
良人が
酒浸して
愛想の
尽きる事もございますれど、
其代りの一
徳には
月々の
遣払ひに
醫者は
微笑を
含んだ
儘白いどろりとした
藥を
陶製の
板の
上で
練つて、それをこつてりとガーゼに
塗つて、
火傷を
掩うてべたりと
貼てぐる/\と
白い
繃帶を
施した。
勘次は一
度も
念佛寮を
顧みなかつた。五六
日過ぎて
與吉は
復た
醫者へ
連れられた。
醫者は
穢く
成つた
繃帶を
解いてどろりとした
白い
藥を
復た
陶製の
板で
練つて
貼つた。
そしてそれに校庭の土手に一列に並んでゐる松の
唸り
声が応じ、騒がしい
濤声のやうに耳の底に
絡んだ。
彼は
身を
殺さうとまで
其の
薄弱な
意思が
少しのことにも
彼を
苦しめる
時、
彼を
衝動つて
盜性がむか/\と
首を
擡げつゝあつたのである。
勘次はもう
仕事をする
處ではない。