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当世
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たうせい
裾曳摺りて
奥様といへど、女は
竟に女
也当世の
臍繰要訣に
曰く出るに
酒入つても
酒、つく/\
良人が
酒浸して
愛想の
尽きる事もございますれど、
其代りの一
徳には
月々の
遣払ひに
それも
当世のお嬢さんではない。五六年来
迹を絶つた
硯友社趣味の娘である。
此故に
当世の
文学者は
口に
俗物を
斥罵する事
頗る
甚だしけれど、
人気の
前に
枉屈して其
奴隷となるは
少しも
珍らしからず。
さりながら
論語に
唾を
吐きて
梅暦を
六韜三略とする
当世の
若檀那気質は
其れとは
反対にて
愈々頼もしからず。