あら)” の例文
新字:
あらはすと、くわくおほい、翡翠ひすゐとかいてね、おまへたち……たちぢやあ他樣ほかさま失禮しつれいだ……おまへなぞがしがるたまとおんなじだ。」
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御酒ごしゆをめしあがつたからとてこゝろよくくおひになるのではなく、いつもあをざめたかほあそばして、何時いつ額際ひたひぎはあをすぢあらはれてりました。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昔はかの僧院、これらの天のため、をさはに結びしに、今はいと空しくなりぬ、かゝればそのさま必ず直にあらはれん 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あつくして問るべしまづ第一に天一坊の面部めんぶあらはれしさうは存外の事をくはだつる相にて人を僞るの氣たしかなり又眼中に殺伐さつばつの氣あり是は他人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伯夷はくい叔齊しゆくせいけんなりといへども、(七三)夫子ふうし益〻ますますあらはれ、顏淵がんえん篤學とくがくなりといへども、(七四)驥尾きびしておこなひ益〻ますますあらはる。
だれ自分じぶんところたのではいか、自分じぶんたづねてゐるのではいかとおもつて、かほにはふべからざる不安ふあんいろあらはれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あいちやんのためには勿怪もツけさいはひちひさな魔法壜まはふびんいま充分じうぶん其功能そのこうのうあらはしをはつたので、あいちやんもうこれよりおほきくはなりませんでした、が、それは非常ひじよう不愉快ふゆくわい
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
やけといへば、一體に夫人の作品には、何處かに捨鉢を喜ぶ傾向があらはれる。それは捨鉢を主張したものでもなく、捨鉢に同情してゐるのでも無い。殆ど無意識に作品の基調を成してゐるのである。
徐ろに人は宇宙の鏡にあらはる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しかして彼の爲人ひとゝなりことばの形にあらはさんため、靈この處よりくだり、彼は全く主のものなればその意をとりて名となせり 六七—六九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
可厭いや大袈裟おほげさあらはしたぢやねえか==陰陽界いんやうかい==なんのつて。これぢや遊廓くるわ大門おほもんに==色慾界しきよくかい==とかゝざあなるめえ。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
心掛らるゝことなれば久八があやまつて縊殺しめころせしと云ひ無證據むしようこのことなるを自訴じそせしにて赤心せきしんあらはれたれば如何にもして助け遣はし度と心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
維新いしんへんれは靜岡しづをかのおとも、これは東臺とうだい五月雨さみだれにながす血汐ちしほあかこヽろ首尾しゆびよくあらはしてつゆとやえし、みづさかづきしてわかれしりのつま形見かたみ此美人このびじんなり
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここもつ(四四)せい諸矦しよこうあらはせり。越石父ゑつせきほけんにして(四五)縲紲るゐせつうちり。晏子あんしでてこれみちふ、(四六)左驂ささんいてこれあがなひ、かへる。
すると、時々とき/″\厨房くりやいて、ダリユシカのあか寐惚顏ねぼけがほあらはれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こゝへつたお救小屋すくひごやへ、やみのは、わあツと泣聲なきごゑ、たすけて——と悲鳴ひめいが、そこからきこえて、幽靈いうれいあらはれる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
トムマーゾの祭によりて名と徳とをたえずあらはすかの大いなる領主バーロネの美しき紋所を分け用ゐる者は、いづれも 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あらはさんと思はれ一度の吟味もなくすぐに麹町名主矢部與兵衞へ内通ないつう有つて村井長庵が在宿ざいしゆくとくと見屆させ置召捕方の與力同心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここおい闔廬かふろ孫子そんしへいもちふるをり、つひもつしやうす。西にし彊楚きやうそやぶつて(一三)えいり、きたせいしんおどし、諸矦しよこうあらはす。孫子そんしあづかつてちからり。
おのづから顏色かほいろあらはるれば、何取なにとりいそぐことでもい、よく思案しあんしてかなふたらば其時そのときこと、あまり欝々うつ/\として病氣びようきでもしてはらんから、すこしはなぐさめにもとおもふたのなれど
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自然しぜん法則はふそく依然いぜんとしてもとまゝです、人々ひと/″\猶且やはり今日こんにちごとみ、い、するのでせう、甚麼立派どんなりつぱ生活せいくわつあかつきあらはれたとしても、畢竟つまり人間にんげん棺桶くわんをけ打込うちこまれて、あななかとうじられてしまふのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ならんだぜんは、土地とち由緒ゆゐしよと、奧行おくゆきをものがたる。突張つツぱるとはづれさうなたなから飛出とびだした道具だうぐでない。くらからあらはれたうつはらしい。御馳走ごちそうは——
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
公子こうしきうやぶるるや、召忽せうこつこれし、われ(一〇)幽囚いうしうせられてはづかしめく。鮑叔はうしゆくわれもつはぢしとさず。(一一)小節せうせつぢずして・功名こうめいの・天下てんかあらはれざるをづるをればなり
今世こんせ主君きみにも未來みらい主君きみにも、忠節ちうせつのほどあらはしたし、かはあれど氣遣きづかはしきは言葉ことばたくみにまことくなきがいまつねく、誰人たれびと至信ししん誠實せいじつに、愛敬けいあいする主君きみ半身はんしんとなりて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
フトまよつてあらはれたかと、るにものすごいまで、このさわぎにした、軒々のき/\提灯ちやうちんかげうつつたのであつた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
でう座敷ざしきに六まい屏風びやうぶたてゝ、おまくらもとには桐胴きりどう火鉢ひばちにお煎茶せんちや道具だうぐ烟草盆たばこぼん紫檀したんにて朱羅宇しゆらう烟管きせるそのさま可笑をかしく、まくらぶとんの派手摸樣はでもやうよりまくらふさくれなひもつねこのみの大方おほかたあらはれて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
孫臏そんびんこれもつて、天下てんかあらはれたり。(六〇)其兵法そのへいはふつたふ。
名案めいあんはないかな——こゝへ、下町したまちねえさんで、つい此間このあひだまで、震災しんさいのためにげてた……元來ぐわんらい靜岡しづをかには親戚しんせきがあつて、あきらかな、いき軍師ぐんしあらはれた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はぬ素性すぜうきたきは無理むりか、かくすにあらはるヽがつねぞかし。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
晏子あんしけ六しやく滿たず、齊國せいこくしやうとして、諸矦しよこうあらはる。
山邊やまべ赤人あかひとを、もゝはなかすみあらはし、それ百人一首ひやくにんいつしゆ三枚さんまいめだ……田子たごうら打出うちいでてれば白妙しろたへの——ぢやあない、……田子たごうらゆ、さ、打出うちいでてれば眞白ましろにぞ、だと
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おそろしや此大恩このだいおん良人をつとこゝろちてかりにも其色そのいろあらはれもせば。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかるに後年こうねん京城けいじやう諸士しよしにして、かの北狄ほくてき囘文くわいぶんけたるものすくなからず、ことあらはるゝにおよびて、官司やくにん密使みつし案討あんたうするに、無足むそく婦人ふじんすなはしかり、しか奸黨かんたう張本ちやうほんたりき。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゞいてあらはれるが例物れいぶつさ、かみ自慢じまん櫛卷くしまきで、薄化粧うすげしようのあつさりもの半襟はんゑりつきのまへだれがけとくだけて、おや貴郎あなたふだらうではいか、すると此處こゝのがでれりと御座ござつて、ひさしう無沙汰ぶさたをした
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
按摩あんまどのは、團栗どんぐりごととがつたあたまで、黒目金くろめがねけて、しろ筒袖つゝそで上被うはつぱりで、革鞄かはかばんげて、そくにつて、「お療治れうぢ。」とあらはれた。——勝手かつてちがつて、わたし一寸ちよつと不平ふへいだつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
齒代はだいやすあらはれてげたるやぶれし母衣ほろ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
じつは、ほのほいて、ほのほそむいて、たとひいへくとも、せめてすゞしきつきでよ、といのれるかひに、てん水晶宮すゐしやうぐうむねさくらなかあらはれて、しゆつたやうな二階にかい障子しやうじ
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ともあれ勘藏かんざうといふものある以上いじやうなまなかのこと言出いひだしてうたがひのたねになるまじともがたしおためにならぬばかりかはひととの逢瀬あふせのはしあやなくたえもせばなにかせんるべきみちのなからずやとまどふはこゝろつゝむ色目いろめなにごともあらはれねど出嫌でぎらひときこえしおたか昨日きのふいけはた師匠ししやうのもとへ今日けふ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
旅行りよかうをしても、このさと、このもり、このほこら——どうも、みゝづくがゐさうだ、と直感ちよくかんすると、はたして深更しんかうおよんで、ぽツと、あらはれづるからすなははなせる。——のツほーほう、ほツほウ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こはいのがごそりとげると……靴下くつしたならまだい「なに體裁ていさいなんぞ、そんなこと。」邊幅へんぷくしうしないをとこだから、紺足袋こんたびで、おやゆびさきおほきなあなのあいたのが、油蟲あぶらむしはさんだごとあらはれた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その某月ぼうげつなかばに、今度こんどは、ねずみ周南しうなんしつあらはれた。もの/\しく一揖いちいふして
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いま大塚おほつか樹立こだちはうからさつ光線くわうせん射越いこして、つゆ煌々きら/\する路傍ろばうくさへ、ちひさな片足かたあしれて、うへからりてものみちひらいて待構まちかまへると、まへとはちがひ、ゆるう、のさ/\とあらはれたは
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
前栽せんざい強物つはものの、はないたゞき、蔓手綱つるたづな威毛をどしげをさばき、よそほひにむらさきそめなどしたのが、なつ陽炎かげろふ幻影まぼろしあらはすばかり、こゑかして、大路おほぢ小路こうぢつたのも中頃なかごろで、やがて月見草つきみさうまつよひぐさ
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ねや、いや、寢床ねどこともの、——源語げんごでも、勢語せいごでもない、道中膝栗毛だうちうひざくりげまくらせて、どたりとなつて、もうきさうなものだとおもふのに、どこかのしげりへあらはれないときは、出來できるものなら
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、やがて、すさまじいおとがしますと、くもなかに、りうかたちあらはれたんです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、吃驚びつくりするやうな大景氣だいけいき川鐵かはてつはひつて、たゝきのそば小座敷こざしき陣取ぢんどると、細露地ほそろぢすみからのぞいて、臆病神おくびやうがみあらはれて、逃路にげみちさがせやさがせやと、電燈でんとうまたゝくばかり、くらゆびさしをするにはよわつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
んでみふせる勇者ゆうしやあらはれた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)