“羞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
21.6%
はず16.6%
はずか14.1%
はじ11.3%
はにか10.6%
はに7.8%
はづ5.0%
はづか4.4%
はぢ3.4%
はじら2.2%
はじらい0.9%
0.3%
0.3%
はじらひ0.3%
はずかし0.3%
はぢろ0.3%
はつか0.3%
はにかみ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ずかしそうに顔を赤らめながら言うのを見ると、今度こそたまらぬという様子で、門弟たちは腹をみながらひいひい笑い崩れた。
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
覚メタケレドモ事ノ意外ニ驚キあきレ、アマリニはずカシイ恰好かっこうヲシテイルノデ、寝タフリヲシテ通ソウトシテイルノダ。僕ハソウ思ッタ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そんな恰好かっこうをしているところを見られて一人ではずかしがっている私を、しかし何とも思わないように、只なつかしそうに見上げながら
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
自分の為にこんな騒ぎまで起ったかと思うと、口ではさかしく応対しても、さすがにはじらわないではいられなかったのだ。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
絶えいるやうなはにかみをふくんだ愛のしるしをみせてくれた、あの感動を、なぜ忘れてゐたのか、自分でも不思議なくらゐであつた。
山形屋の青春 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
停年教授はと見ていると、彼は見掛によらぬはにかみやと見えて、立つて何だか謝辞らしいことを述べたが、口籠ってよく分らなかった。
或教授の退職の辞 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
その時T—が、いつもの、私を信じ切つてゐるやうな少しはづかしいやうな様子をして部屋の入口に現はれた。そしてつかつかとそばへ寄つて来た。
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
やつと小学校へはひつた僕はすぐに「十郎が兄さんですよ」といひ、かへつてみんなに笑はれたのをはづかしがらずにはゐられなかつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「うむ、さうだあ、そんだからさあつとがさ/\すんだよ」ういつておつぎのこゑすこ明瞭はつきりとしてた。おつぎははぢふくんだ容子ようすつくつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
清々しい朝の光のなかに、はじらいを含んで見上げる顔は、沖田源左衛門の娘小房であった。しかも……意外なことには眉をり歯を染めている。
おもかげ抄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
復一はさすがに云いよどんだ。すると真佐子は漂渺とした白い顔に少しはじらいをふくんで、両袖りょうそでを掻き合しながら云った。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鶴はその後二分ほどの間、いかにも楽し気に唄いつづけていたが、やがて気がしたようにフッと歌をやめてしまった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
衆目の指すところ彼は非の打ちどころのない人間で、あるとしても弱点は二つしかない。一つは妙に自分の親切にれて、酷薄粗暴の風を装うこと。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そのはじらひを含める姿はもとの如くなりき。男は其名を呼び、女は紛※てふきを振りたり。花束の雨はそのかうべの上に降れり。幕再び下りしに、呼ぶ聲いよ/\はげしかりき。
戯作者といふ低さの自覚によつて、思想性まで低められ卑しめられはずかしめられるが如くに考へるのであらう。
大阪の反逆 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
春の虹ねりのくけ紐たぐりますはぢろがみあけのかをりよ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
むすめごころのはつかしや
桜さく島:春のかはたれ (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
おときは妙にむすめらしくはにかみを含んだ表情をして、心持顏を赤くしながら
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)