“誰人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たれびと37.5%
だれ19.6%
たれ17.9%
どなた12.5%
だれびと7.1%
たれひと5.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天地と云い山川さんせんと云い日月じつげつと云い星辰せいしんと云うも皆自己の異名いみょうに過ぎぬ。自己をいて他に研究すべき事項は誰人たれびとにも見出みいだし得ぬ訳だ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この深夜しんや、一体何ごとが起ったというのであろう。ジュリアをめる男は誰人だれ? そして地底に現われた吸血鬼は、そも何処にひそめる?
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
みな有為な浄い青年達でした。その十二人の勝れた弟子達の一人がクリストを官府に売り渡そうとは誰人たれも思わなかったでしょう。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
「私にはどうしても今度の役目ばかりは、仕遂げることは出来ません。どうぞ他の誰人どなたかに、お命じなすって下さいますよう」
自分が何よりも強く、誰人だれびとよりも勝って、祖父家康の賞め言葉の「日本樊噲」という言葉が、まだ物足りぬようにさえ思われ出した。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
善き姥は遠く汲んでその労を報いられたという口碑などと同じ系統の古い形であることは、誰人たれひともこれを認め得る。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)