誰人だれびと)” の例文
自分が何よりも強く、誰人だれびとよりも勝って、祖父家康の賞め言葉の「日本樊噲」という言葉が、まだ物足りぬようにさえ思われ出した。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そうして、私の知り得た所にして誤りなくんば、あなたは脅迫状が誰人だれびとによつて、何故にあなたに送られたかを知つていらつしやるはずである。そこです、私が今うかがつた用件は。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
さてもさてもごりょは、誰人だれびとの子なれば、定家ていかかつらを——
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「しからば、留守を預かるのは誰人だれびとだ、その責任者を出せ!」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)