“誰人（どなた）” の例文
「私にはどうしても今度の役目ばかりは、仕遂げることは出来ません。どうぞ他の誰人（どなた）かに、お命じなすって下さいますよう」
さまよう町のさまよう家のさまよう人々 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
『いえ、誰人（どなた）も命（いのち）の助（たす）かりたいのは同（おな）じ事（こと）でせう。』と言（い）つて、瞳（ひとみ）を轉（てん）じ
海島冒険奇譚　海底軍艦：05 海島冒険奇譚　海底軍艦 (旧字旧仮名) ／ 押川春浪(著)
「田安様の品物が盗まれました際、その責任は田安様の、誰人（どなた）に行くのでございましょうか？」と訊いた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
「今日は大いによろしゅうござる。どれ煎薬でも差し上げましょう。……ところで何時（いつ）かお尋ねしようと、窃（ひそ）かに存じて居りましたが、ご貴殿ご旧主は誰人（どなた）様でござるな？」
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
「わたくしの利慾からにござります。決して誰人（どなた）にも頼まれましたのではなく……」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
「誰人（どなた）に従（つ）いて学ばれたな？　お聞かせ下さることなりますまいかな？」
戯作者 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
「今行った将校は誰人（どなた）ですか？」と。
鴉片を喫む美少年 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
「ほほう左様で、誰人（どなた）からな？」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)