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黒々
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くろぐろ
ふりがな文庫
“
黒々
(
くろぐろ
)” の例文
垣根
(
かきね
)
のきわに
植
(
う
)
わっているみかんの
木
(
き
)
が、
黒々
(
くろぐろ
)
として、
夜風
(
よかぜ
)
の
渡
(
わた
)
るたび、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
にちかちかと、
葉
(
は
)
がぬれるごとく
見
(
み
)
えました。
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
烏
(
からす
)
はどんな
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
に
染
(
そ
)
まったろうと、
楽
(
たの
)
しみにしながら、
急
(
いそ
)
いで
鏡
(
かがみ
)
の
前
(
まえ
)
へ行って
見
(
み
)
ますと、まあ、
驚
(
おどろ
)
きました、
頭
(
あたま
)
からしっぽの
先
(
さき
)
まで
真
(
ま
)
っ
黒々
(
くろぐろ
)
と
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
筋骨
逞
(
たく
)
ましい
大兵
(
だいひょう
)
肥満の
黒々
(
くろぐろ
)
した巨漢と
振袖然
(
ふりそでぜん
)
たる長い羽織を着た薄化粧したような美少年と連れ立って行くさまは弁慶と牛若といおう
乎
(
か
)
、
髯奴
(
ひげやっこ
)
と
色若衆
(
いろわかしゅう
)
といおう乎。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
左膳があきらめて引きわたした壺の木箱を、高大之進の一団、おっとりかこんで、その場であけてみると! 思いきや、ころがりでたのは、
真
(
ま
)
っ
黒々
(
くろぐろ
)
な
破
(
わ
)
れ
鍋
(
なべ
)
が一つ!
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なるほどそう云われて見ると、
黒々
(
くろぐろ
)
と
盛
(
も
)
り上った高地の上には、聯隊長始め何人かの将校たちが、やや赤らんだ空を
後
(
うしろ
)
に、この死地に向う一隊の士卒へ、最後の敬礼を送っていた。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
鉄漿
(
おはぐろ
)
も
黒々
(
くろぐろ
)
と、
今朝
(
けさ
)
染
(
そ
)
めたばかりのおこのの
歯
(
は
)
は、
堅
(
かた
)
く
右
(
みぎ
)
の
袂
(
たもと
)
を
噛
(
か
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
陣馬
(
じんば
)
の
高原
(
こうげん
)
には、さまざまな植物の花が、
露
(
つゆ
)
をふくんで
黒々
(
くろぐろ
)
と
眠
(
ねむ
)
っていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その胸を見ると、確に、
墨
(
すみ
)
黒々
(
くろぐろ
)
と、文字が書きつけてある。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
たらの
色
(
いろ
)
は、
黒々
(
くろぐろ
)
として、
大
(
おお
)
きな
目玉
(
めだま
)
が
光
(
ひか
)
っていました。
娘
(
むすめ
)
は、その一ぴきを
晩
(
ばん
)
のさかなにしようと
庖丁
(
ほうちょう
)
をいれました。
魚
(
さかな
)
の
肉
(
にく
)
は、
雪
(
ゆき
)
よりも
白
(
しろ
)
く、
冷
(
つめ
)
たかったのです。
海のまぼろし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
馬首
(
ばしゅ
)
をあげておどってきた
影
(
かげ
)
!
黒々
(
くろぐろ
)
とそこに見えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日
(
ひ
)
はまったく
暮
(
く
)
れて、いつしか、
夕焼
(
ゆうや
)
けの
名残
(
なごり
)
すらなく、
青々
(
あおあお
)
として
澄
(
す
)
みわたった、
空
(
そら
)
のたれかかるはてに、
黒々
(
くろぐろ
)
として、
山々
(
やまやま
)
の
影
(
かげ
)
が
浮
(
う
)
かび
上
(
あ
)
がって、そのいただきのあたりに、きらきらと、一つ
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
々
3画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒煙
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒奴