トップ
>
髪剃
>
かみそり
ふりがな文庫
“
髪剃
(
かみそり
)” の例文
旧字:
髮剃
彼は
髪剃
(
かみそり
)
を
揮
(
ふる
)
うに当って、
毫
(
ごう
)
も文明の法則を解しておらん。頬にあたる時はがりりと音がした。
揉
(
も
)
み
上
(
あげ
)
の所ではぞきりと動脈が鳴った。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
春
(
はる
)
が
来
(
き
)
たといつては
莞爾
(
につこり
)
、
何
(
なに
)
か
観
(
み
)
たといつては
莞爾
(
につこり
)
、
元来
(
ぐわんらい
)
があまり
確
(
しつか
)
りした
頭
(
あたま
)
でないのだ。
十歳
(
じつさい
)
の
時
(
とき
)
、
髪剃
(
かみそり
)
を
頂
(
いたゞ
)
いたが、
羅甸
(
ラテン
)
の
御経
(
おきやう
)
はきれいに
失念
(
しつねん
)
して
了
(
しま
)
つた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
そして、それからというものは、もう理髪人をかかえないで、自分の娘たちに顔を剃らせました。しかし後には、自分の子が
髪剃
(
かみそり
)
を持ってあたるのさえも不安心でならなくなりました。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
髪剃
(
かみそり
)
や一夜に
錆
(
さび
)
て
五月雨
(
さつきあめ
)
凡兆
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「何だか長い名だ、とにかく食道楽じゃねえ。
鎌
(
かま
)
さん一体これゃ何の本だい」と余の耳に
髪剃
(
かみそり
)
を入れてぐるぐる廻転させている職人に聞く。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「源さん、世の中にゃ随分馬鹿な奴がいるもんだねえ」と余の
顋
(
あご
)
をつまんで
髪剃
(
かみそり
)
を
逆
(
ぎゃく
)
に持ちながらちょっと火鉢の方を見る。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幅の厚い西洋
髪剃
(
かみそり
)
で、顎と頬を剃る段になって、その鋭どい刃が、鏡の裏で
閃
(
ひらめ
)
く色が、一種むず
痒
(
がゆ
)
い様な気持を起さした。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
文明は人の神経を
髪剃
(
かみそり
)
に
削
(
けず
)
って、人の精神を
擂木
(
すりこぎ
)
と鈍くする。刺激に
麻痺
(
まひ
)
して、しかも刺激に
渇
(
かわ
)
くものは
数
(
すう
)
を尽くして新らしき博覧会に集まる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幅の
厚
(
あつ
)
い西洋
髪剃
(
かみそり
)
で、
顎
(
あご
)
と頬を
剃
(
そ
)
る
段
(
だん
)
になつて、其
鋭
(
する
)
どい
刃
(
は
)
が、
鏡
(
かゞみ
)
の
裏
(
うら
)
で
閃
(
ひらめ
)
く色が、一種むづ
痒
(
がゆ
)
い様な気持を
起
(
おこ
)
さした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから机の上へ旅行用の鏡を立てて、
象牙
(
ぞうげ
)
の
柄
(
え
)
のついた
髪剃
(
かみそり
)
を並べて、熱湯で
濡
(
ぬ
)
らした頬をわざと
滑稽
(
こっけい
)
に
膨
(
ふく
)
らませた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いいえそれが
私
(
わたくし
)
なんぞの知らない妙な御祈祷なのよ。何でも
髪剃
(
かみそり
)
を頭の上へ載せて遣るんですって」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
剃
(
そり
)
は安全
髪剃
(
かみそり
)
だから
仕
(
し
)
まつがいい。大工がかんなをかけるようにスースーと
髭
(
ひげ
)
をそる。いい心持だ。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は三沢へ
端書
(
はがき
)
を書いた
後
(
あと
)
で、風呂から
出立
(
でたて
)
の頬に
髪剃
(
かみそり
)
をあてようと思っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女の手には彼が西洋から持って帰った
髪剃
(
かみそり
)
があった。彼女が
黒檀
(
エボニー
)
の
鞘
(
さや
)
に折り込まれたその刃を
真直
(
まっすぐ
)
に立てずに、ただ黒い
柄
(
え
)
だけを握っていたので、寒い光は彼の視覚を襲わずに済んだ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
座敷の
張易
(
はりかえ
)
が済んだときにはもう三時過になった。そうこうしているうちには、宗助も帰って来るし、晩の
支度
(
したく
)
も始めなくってはならないので、二人はこれを一段落として、糊や
髪剃
(
かみそり
)
を片づけた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが
幾日
(
いくか
)
となく洗いも
櫛
(
くしけ
)
ずりもしない髪が、
膏
(
あぶら
)
と
垢
(
あか
)
で余の頭を
埋
(
うず
)
め
尽
(
つ
)
くそうとする
汚苦
(
むさくる
)
しさに
堪
(
た
)
えられなくなって、ある日床屋を呼んで、不充分ながら寝たまま頭に手を入れて顔に
髪剃
(
かみそり
)
を当てた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
好加減
(
いいかげん
)
に
髪剃
(
かみそり
)
で小口を切り落してしまう事もあった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その頃
髪剃
(
かみそり
)
と云うものは無論なかった。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
剃
漢検準1級
部首:⼑
9画
“髪”で始まる語句
髪
髪毛
髪結
髪結床
髪飾
髪容
髪針
髪形
髪油
髪盗み