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飽
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あき
ふりがな文庫
“
飽
(
あき
)” の例文
女がすでに離れた以上、自分の仕事に
飽
(
あき
)
が来たと云ってはすまないが、
前
(
ぜん
)
同様であるべき窮屈の程度が急に著るしく感ぜられてならなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴方
(
あなた
)
の心は近頃大変に若やいで来た。
其
(
それ
)
は
解
(
わか
)
つて居る。年寄つた自分に
飽
(
あき
)
が来て、あのアルマンに移つて
行
(
ゆ
)
くのでせう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
あたしね、怒りっぽくなったり
飽
(
あき
)
っぽくなったりするって言ったでしょ。その時も、
欠伸
(
あくび
)
しながら写真帳を枕にして、だらしなく寝ころんでいたの。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
かくて
半晌
(
はんとき
)
も過ぎると、
何
(
いず
)
れも漸く
飽
(
あき
)
が来て、思わず頭を
低
(
た
)
れると、あたかもその途端に石がバラリと落ちるという工合で、どうしても上に物あって下の挙動を窺っているとよりは見えぬ。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たゞ
折々
(
をり/\
)
聞
(
きこゆ
)
るものは
豌豆
(
ゑんどう
)
の
莢
(
さや
)
が
熱
(
あつ
)
い日に
彈
(
はじ
)
けて
豆
(
まめ
)
の
飛
(
と
)
ぶ
音
(
おと
)
か、
草間
(
くさま
)
の
泉
(
いづみ
)
の
私語
(
さゝやく
)
やうな音、それでなくば
食
(
く
)
ひ
飽
(
あき
)
た
鳥
(
とり
)
が
繁茂
(
しげみ
)
の
中
(
なか
)
で
物疎
(
ものう
)
さうに
羽搏
(
はゞたき
)
をする
羽音
(
はおと
)
ばかり。
熟過
(
つえすぎ
)
た
無花果
(
いちじく
)
がぼたりと落ちる。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
其上
(
そのうへ
)
、もう
気
(
き
)
がたるみ、
筋
(
すぢ
)
が
弛
(
ゆる
)
んで、
早
(
は
)
や
歩行
(
ある
)
くのに
飽
(
あき
)
が
来
(
き
)
て
喜
(
よろこ
)
ばねばならぬ
人家
(
じんか
)
が
近
(
ちかづ
)
いたのも、
高
(
たか
)
がよくされて
口
(
くち
)
の
臭
(
くさ
)
い
婆
(
ばあ
)
さんに
渋茶
(
しぶちや
)
を
振舞
(
ふるま
)
はれるのが
関
(
せき
)
の
山
(
やま
)
と、
里
(
さと
)
へ
入
(
い
)
るのも
厭
(
いや
)
になつたから
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
尤
(
もっと
)
も多い中には万年筆道楽という様な人があって、一本を使い切らないうちに
飽
(
あき
)
が来て、又新しいのを手に入れたくなり、
之
(
これ
)
を手に入れて
少時
(
しばらく
)
すると
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたは定めて
飽
(
あき
)
っぽいと思うでしょう、しかしこれはあなたと僕の性質の差違から出るのだから仕方がないのです。またかと云わずに、まあ僕の訴えを聞いて下さい。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
飽
常用漢字
中学
部首:⾷
13画
“飽”を含む語句
飽気
飽迄
飽々
飽満
飽足
塩飽
飽和
飽浦
飽倦
仕飽
見飽
飽食
飽海
飽果
飽氣
待飽倦
飽慾
飽託
暖衣飽食
飽滿
...