頂上ちょうじょう)” の例文
牧場ぼくじょうのうしろはゆるいおかになって、その黒いたいらな頂上ちょうじょうは、北の大熊星おおくまぼしの下に、ぼんやりふだんよりもひくく、つらなって見えました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
けれどわたしはぜひも頂上ちょうじょうまで登らなければならないと決心した。でもやっとのこと登ってみれば、どちらを見ても明かりは見えなかった。
やっととう頂上ちょうじょうたっしますと、そこはからだをいれるだけのせまいへやになっていました。もとより、ほこりがたまっていました。あねは、そこにすわりました。
黒い塔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
向日葵ひまわり毎幹まいかん頂上ちょうじょうただ一花いっかあり、黄弁大心おうべんたいしんの形ばんごとく、太陽にしたがいて回転す、し日が東にのぼればすなわち花は東にむかう、日が天になかすればすなわち花ただちに上にむか
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
頂上ちょうじょう裏切うらぎり者がでたのを知って、外城そとじろの者が一きょにやってくるんです。そうにちがいない」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天蓋てんがい頂上ちょうじょう
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
つぼみはみんなできあがりましてございます。秋風あきかぜするどこながその頂上ちょうじょうみどりいろのかけがねけずってしてしまいます。今朝けさ一斉いっせいにどの花も開くかと思われます
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「いやそんなはずはない、こういううちに、しぜんと頂上ちょうじょうのとりでの中にでるにちがいない」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またやまでは、おいしげる木々きぎに、あらしがおそうと、はげしくえだえだをもみあい、そして、頂上ちょうじょうから落下らっかするたきが、さながらかみなりのとどろくように、あたりへこだまするものすごい光景こうけい
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどロアール川とドルドーニュ川と、二つの谷を分かった山の頂上ちょうじょうで、かれはふたたびわたしの手首をにぎった。その山を南へ下り始めて十五分も行ったころ、かれは手をはなした。
そのばんホモイはゆめを見ました。高い高いきりのような山の頂上ちょうじょう片脚かたあしで立っているのです。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
果然かぜん——前の日よりもすさまじい群衆ぐんしゅう怒濤どとうが、御岳の頂上ちょうじょう矢来押やらいおしにつめかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほら、ごらん。あのがけのところに、やまゆりがいているから。」と、おじさんが、いったので、そのほうをあおぐと、頂上ちょうじょうから、ほそいひとすじのたきがおちて、そのしぶきを、あびながら
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸い坂道は長かったが、それもいつか頂上ちょうじょうに来た。
そして二人ふたりはまわりを森にかこまれたきれいな草のおか頂上ちょうじょうに立っていました。
むかし、十二、三になったばかりの、孝行こうこうのむすこが、医者いしゃはなした母親ははおや病気びょうきを、なおしたい一しんで、不動尊ふどうそんがんをかけて、あの頂上ちょうじょうまで、おみずをもらいにのぼったことがあると、いたが。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして諒安はとうとう一つのたいらな枯草かれくさ頂上ちょうじょうに立ちました。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
金剛石こんごうせきは山の頂上ちょうじょうにあるでしょう」