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話頭
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わとう
ふりがな文庫
“
話頭
(
わとう
)” の例文
「お延の返事はここにある」といって、
綺麗
(
きれい
)
に持って来た金を彼に渡すつもりでいた彼は
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。その代り
話頭
(
わとう
)
を前へ押し戻した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
辰子は姉の予想したよりも
遥
(
はる
)
かに
真面目
(
まじめ
)
に返事をした。と思うとたちまち
微笑
(
びしょう
)
と一しょにもう一度
話頭
(
わとう
)
を引き戻した。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大王は
話頭
(
わとう
)
を改めて「あなたがチベットに居った時分に誰にもあなたの日本人であるということを告げなかったか」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
勝手
(
かつて
)
な
氣焔
(
きえん
)
もやゝ
吐
(
は
)
き
疲
(
くた
)
ぶれた
頃
(
ころ
)
で、
蓋
(
けだ
)
し
話頭
(
わとう
)
を
轉
(
てん
)
じて
少
(
すこ
)
し
舌
(
した
)
の
爛
(
たゞ
)
れを
癒
(
いや
)
さうといふ
積
(
つも
)
りらしい。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
○去年の春であったか、非無という年の若い真宗坊さんが来て
談
(
はな
)
しているうちに、
話頭
(
わとう
)
はふと宗教の上に落ちて「君に宗教はいらないでしょう」と坊さんが言い出した。
病牀苦語
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
話頭
(
わとう
)
一
転
(
てん
)
、信義なき対人圏にあつて、芸術家が何を得るとしても何れは僅かなものである。
詩と現代
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「ところで、そのかんじんな
仮面
(
めん
)
の事になりますが——」と、釘勘はここで
話頭
(
わとう
)
をかえて
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この両人は途中の
話頭
(
わとう
)
によって、おたがいに行く先の暗合を奇なりとして驚きました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこで私は今度は、長吉自身の身の上に、
話頭
(
わとう
)
を転じて行きました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは化物になるところまで行かぬ、
話頭
(
わとう
)
の作り事なのであろう。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
彼は初めから、
話頭
(
わとう
)
をそこへもってくるつもりだったらしい。
竹柏記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大原は何か
話頭
(
わとう
)
を
惹出
(
ひきいだ
)
してお登和嬢を引留めたし
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
平次はいきなり
話頭
(
わとう
)
を転じました。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
話頭
(
わとう
)
は酒を
更
(
あらた
)
むるとともに転じて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
これが始めて彼女の口を
洩
(
も
)
れた
挨拶
(
あいさつ
)
であった。
話頭
(
わとう
)
はそのお土産を持って来た人から、その土産をくれた人の好意に及ばなければならなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
譚は大声に笑った後、ちょっと
真面目
(
まじめ
)
になったと思うと、無造作に
話頭
(
わとう
)
を一転した。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、
果心居士
(
かしんこじ
)
はふかくもいわず口をにごして
話頭
(
わとう
)
一
転
(
てん
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小山は
好
(
よ
)
き折とて
直
(
す
)
ぐに
話頭
(
わとう
)
を向け
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
平次は
話頭
(
わとう
)
を転じました。
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを平生の細心にも似ず、一顧の
掛念
(
けねん
)
さえなく、ただ
無雑作
(
むぞうさ
)
に
話頭
(
わとう
)
に上せた津田は、まさに
居常
(
きょじょう
)
お延に対する時の用意を取り忘れていたに
違
(
ちがい
)
なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
も
其所
(
そこ
)
を
無理
(
むり
)
にこぢ
開
(
あ
)
ける
程
(
ほど
)
の
強
(
つよ
)
い
好奇心
(
かうきしん
)
は
有
(
も
)
たなかつた。
從
(
したが
)
つて
女
(
をんな
)
は
二人
(
ふたり
)
の
意識
(
いしき
)
の
間
(
あひだ
)
に
挾
(
はさ
)
まりながら、つい
話頭
(
わとう
)
に
上
(
のぼ
)
らないで、
又
(
また
)
一
週間
(
しうかん
)
ばかり
過
(
す
)
ぎた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
金の問題にはそれぎり触れなかったが、毒にも薬にもならない世間話を何時までも続けて動かなかった。そうして自然天然
話頭
(
わとう
)
をまた島田の身の上に戻して来た。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「とにかく痛い事だろう」と圭さんは
話頭
(
わとう
)
を転じた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“話頭”の意味
《名詞》
話の糸口。
話の内容。
話題。
(出典:Wiktionary)
話
常用漢字
小2
部首:⾔
13画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“話”で始まる語句
話
話柄
話題
話声
話合
話好
話敵
話振
話説
話者