いい)” の例文
名前が分って居るなら先ず其名前をきこう(大)もとより名前をいいますが夫より前にわたしの発見した手続きを申ます、けどが長官
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「へい、……、」ちと変ったいいぐさをこの時はじめて気にしたらしく、杉というのは、そのままじっとして手を控えた。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何をいいやがる、女房が死んでメソメソするようなお人柄じゃねえよ。ねんが明けて品川から駆け込んだのは三年前だ。
断然きっぱりとお照のいい消したる時、遠く小銃のようなる音の何処いずくともなく聞えて、そがひびきにやかすかに大地の震うを覚えぬ。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
晋「おい/\お前は何を言ってるんだよ、わし何処どこも壊してくれなんかッてえ事いいやしない」
しるさんに去る×月×日午後十一時頃×県×郡×村あざ×所在×の寺男×某(五〇)が同寺住職のいいつけにて附近のだん使つかいに行き帰途同寺けいだいの墓地を通過せる折柄おりから雲間を
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
またすべて男女の関係というものは、女子はただ服従の義務という本位を守らせられた。いい換うれば服従主義、即ち国民というものは、単本位主義に今日までなっておりました。
国民教育の複本位 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「あれ、お前のようにおいいだと、私が困るじゃないか。そんなに言う程の物じゃないんだよ。お前がよく勤めておくれだから、ほんの私の志と思っておくれ。……いいからさ、それは仕舞ってお置き」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そんな古いことはいいっこなし。あなたは余程よっぽど人が悪くなったよ」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
第一のつとめゆえ、被告の申立を聞きましょう。さあ、おいい
「でも、半井氏という人は、お前は妻だといい触らしているというではないか。もし縁があってゆるしたのならば、他人がなんと言おうとも聞入れないがよい。もしそうでないのならば、交際しない方がよいだろう」
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かれ室内しつないあるはじめたが、やがて小声こごえでまたいいす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
... いいなさるものじゃありませんよ)(なあに、かまやしないよ、わしは、若いとき井戸掘りで渡世とせいしていたんだから)(だって、あまり名誉な仕事でもないわ)(そんなことはない。第一、お前もわしが井戸掘り稼業かぎょうを ...
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
巫女いちこいいぐさではありませんが、(からのかがみ)と云った方が、真個ほんとうは、ここに配合うつりいのですが、探した処でがないでは、それだと顔がうつりません。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と跡いいかけまするとき、ギイ/\と櫓壺のきしる音がして、燈火あかしがちらり/\とさす舟が漕ぎまいります。伊之吉は俄に花里を制し、また元の如く苫をかぶらせてしまいました。
なぜお前そんな知れ切っている言草いいぐさをおいいだい。
いいさして、しばしことばは途切れしが
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「何をいいやがる」
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
じれってえじゃあねえか、尻なんざあ抱きやしねえや、帯を持って脊負ってやら、さあ来い、と喧嘩づらの深切ずくめ、いいぐさが荒っぽうございますから、おどおどして
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さあ、それをおいい。8965
座敷ではたもとへ忍ばす金縁の度装どもの硝子がらすを光々さした、千鳥と云う、……女学生あがりで稲葉家第一の口上いいが、廂髪ひさしがみ阿古屋あこやと云う覚悟をして度胸を据えて腰を据えて、もう一つ近視眼ちかめを据えて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ものいいもやや打解けて、おくれ毛をでながら
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)