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茂
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しげみ
ふりがな文庫
“
茂
(
しげみ
)” の例文
三
方
(
ぱう
)
は、
大巌
(
おほいは
)
夥
(
おびたゞ
)
しく
累
(
かさな
)
つて、
陰惨冥々
(
いんさんめい/\
)
たる
樹立
(
こだち
)
の
茂
(
しげみ
)
は、
根
(
ね
)
を
露呈
(
あらは
)
に、
石
(
いし
)
の
天井
(
てんじやう
)
を
蜿
(
うね
)
り
装
(
よそほ
)
ふ——こゝの
椅子
(
いす
)
は、
横倒
(
よこたふ
)
れの
朽木
(
くちき
)
であつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旦那、
私
(
わたくし
)
どもでは、萎れた花なんて置きませんです。
宅
(
うち
)
の品はみんな新しい若い、愛の充ちた花で、蘆や薄荷の
茂
(
しげみ
)
の中で、水に浸つて生きてをります。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
もう一人の刑事が腰をかがめ、冬薔薇の
灌木
(
かんぼく
)
の
茂
(
しげみ
)
から、黄色い鹿皮の手袋を、一つ急いで拾い上げました。何だか、私は、その手袋に見覚えがあるような気がしました。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
色ある
衣
(
きぬ
)
は
唐松
(
からまつ
)
の
翠
(
みどり
)
の
下蔭
(
したかげ
)
に
章
(
あや
)
を成して、秋高き清遠の空はその後に
舗
(
し
)
き、
四脚
(
よつあし
)
の雪見燈籠を
小楯
(
こだて
)
に裾の
辺
(
あたり
)
は
寒咲躑躅
(
かんざきつつじ
)
の
茂
(
しげみ
)
に隠れて、近きに二羽の
鵞
(
が
)
の
汀
(
みぎは
)
に
𩛰
(
あさ
)
るなど、
寧
(
むし
)
ろ画にこそ写さまほしきを
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しばらくすると見上げるほどな
辺
(
あたり
)
へ蝙蝠傘の先が出たが、木の
枝
(
えだ
)
とすれすれになって
茂
(
しげみ
)
の中に見えなくなった。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
と、ふいにこの時
茂
(
しげみ
)
の陰から、「誰だ!」という誰何の声が聞こえた。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
暫
(
しばら
)
くすると
見上
(
みあ
)
げるほどな
辺
(
あたり
)
へ
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
の
先
(
さき
)
が
出
(
で
)
たが、
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
とすれ/\になつて
茂
(
しげみ
)
の
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
えなくなつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
分けて足のうらのざらざらするのが
堪難
(
たえがた
)
い、
生来
(
うまれつき
)
の潔癖、
茂
(
しげみ
)
の動く涼しい風にも眉を
顰
(
ひそ
)
めて歩を移すと、博物館の
此方
(
こなた
)
、時事新報の大看板のある
樹立
(
こだち
)
の下に、吹上げの井戸があって
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
溜息
(
ためいき
)
吐
(
つ
)
いてる、草の
茂
(
しげみ
)
を、ばさり、がさがさと、つい、そこに黒く
湧
(
わ
)
いて、月夜に何だか薄く動く。あ、とお優さんは、
媚
(
なまめ
)
かしい色を乱して
裾
(
すそ
)
を縮めました。おや、
鼹鼠
(
もぐら
)
か、
田鼠
(
たねずみ
)
か。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禰宜
身
(
み
)
どもなればこそ、近う寄っても見ましたれ。これは
大木
(
たいぼく
)
の杉の根に、草にかくしてござりましたが、おのずから
樹
(
き
)
の
雫
(
しずく
)
のしたたります
茂
(
しげみ
)
ゆえ、びしゃびしゃと濡れております。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
茂
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“茂”を含む語句
繁茂
生茂
逆茂木
賀茂
家茂
加茂川
賀茂真淵
茂木
茂吉
下加茂
茂兵衛
茂山
鬱茂
茂徳
茂野
樹下茂国
茂次
茂世
茂生
大茂
...