結論けつろん)” の例文
大悟徹底だいごてっていと花前とはゆうとのである。花前は大悟徹底だいごてっていかたちであってこころではなかった。主人しゅじんはようやく結論けつろんをえたのであった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
みぎよう次第しだいであるから、著者ちよしや結論けつろんとしては、地割ぢわれに吸込すひこまれるような現象げんしようは、わがくににては絶對ぜつたいおこらないといふことに歸着きちやくするのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
必竟ひつきやう自分じぶん東京とうきやうなかみながら、ついまだ東京とうきやうといふものをことがないんだといふ結論けつろん到着たうちやくすると、かれ其所そこ何時いつめう物淋ものさびしさをかんずるのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
れよりは「精々せい/″\うまいもの適度てきどへ」とふのがもつと簡單かんたん要領えうれう標語へうごである。建築けんちくこと住家ぢうかでも、まさにこのとほりで、「精々せい/″\善美ぜんびなる建築けんちくつくれ」とふのが最後さいご結論けつろんである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
地震ぢしんつていのちうしなふことをなんともおもつてゐないのかもれないなどといふ結論けつろんくだされないともかぎあるまい。實際じつさいこれは歐米人おうべいじん多數たすう日本につぽん地震ぢしんたいする觀念かんねんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
要するに結論けつろんを急ぐなかれ、死ぬとも生きるとも早くどうにかきめてもらいたいというのは凡夫ぼんぷのいう事にそうろう。いつかは消える燈火ともしびにしても、あおいで消す必要はなかるべく候う。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ようするに、自分をつよ意識いしきするのがわるいのだ。自分を強く意識いしきするから、世の中がきゅうくつになる。主人はこんな結論けつろんをこしらえてみたけれど、すぐあとからあやふやになってしまった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)