ふるひ)” の例文
とちは八月じゆくしておつるをひろひ、てのちかはかし、手にもみてあらきふるひにかけて渋皮しぶかはをさり、ぬのをしきてにしたるをおき、よくならし水をうちてしめらせ
ところで、元来このわしの記憶といふやつが、何ともはやお話にならぬ代物で、聞いたも聞かぬもとんとひとつでな。いはば、まるでふるひの中へ水をつぎこんだのと変りがないのぢや。
難有ありがたいと、それをかばんれてると、ふるひかひつて女土方をんなどかたが、ちいさなこゑで。
半分はんぶんえる土間どまでは二十四五のをんな手拭てぬぐひ姉樣ねえさまかぶりにしてあがりがまちに大盥おほだらひほどをけひか何物なにものかをふるひにかけて專念せんねんてい其桶そのをけまへに七ツ八ツの小女こむすめすわりこんで見物けんぶつしてるが
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かようなたま古墳こふん發掘はつくつせられたとき、たいていつちなかまじつてゐますから、すぐにつからないことがあります。それでつちふるひにかけてよくさがさなければなりません。(第六十四だいろくじゆうし五圖ごず
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そしてはだしのまゝ、ふるひをもつて追つかけていきました。
かぶと虫 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
ふしづく動揺うごきふるひの中なる
なにたかとひながらも、を四はうくばつてると、掘出ほりだしたかひは、一々いち/\ふるひふるつて、かひかひだけとして、やまごとんである。破片はへん其所此所そこここ散亂さんらんしてる。むね土器々々どき/\である。
それは、二十つぼばかりの貝殼かひがらを、のこらず綺麗きれい取出とりだして、やぶはうはこび、其所そこ綺麗きれいに、かひかひいしいしつちつちと、ふるひけてあるにかゝはらず、石器せききも、土器どきも、獸骨じうこつも、なにらね。