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碧潭
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へきたん
ふりがな文庫
“
碧潭
(
へきたん
)” の例文
原始的にしてまた未来の風景がこの水にある。船は
翠嶂
(
すいしょう
)
山の下、
深沈
(
しんちん
)
とした
碧潭
(
へきたん
)
に来て、その
棹
(
さお
)
をとめた。
清閑
(
せいかん
)
にしてまた
飄々
(
ひょうひょう
)
としている。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
紙鳶挙ぐる子供の、風の神弱し、大風吹けよと、謡ふも心憎しなど、窓に倚りて想ひを
碧潭
(
へきたん
)
の
孤舟
(
こしゅう
)
に
騁
(
は
)
せ、眼に銀鱗の飛躍を夢み、寸時恍惚たり。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
夕
(
ゆうべ
)
の陽ざしに赤々と照らせながら、ヒラリ、裸の馬の背に打ち跨ったかと見るまに、水瀑躍る
碧潭
(
へきたん
)
のすがすがしげな流れの中へ、サッと乗り入れました。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
碧潭
(
へきたん
)
の
氣
(
き
)
一脈
(
いちみやく
)
、
蘭
(
らん
)
の
香
(
か
)
を
吹
(
ふ
)
きて、
床
(
ゆか
)
しき
羅
(
うすもの
)
の
影
(
かげ
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むと
覺
(
おぼ
)
えしは、
年
(
とし
)
經
(
ふ
)
る
庄屋
(
しやうや
)
の
森
(
もり
)
を
出
(
い
)
でて、
背後
(
うしろ
)
なる
岨道
(
そばみち
)
を
通
(
とほ
)
る
人
(
ひと
)
の、ふと
彳
(
たゝず
)
みて
見越
(
みこ
)
したんなる。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十九日、朝の
内
(
うち
)
に付近の景勝を探ろうと、宿の女の子を案内に
吹割
(
ふきわり
)
へ行ってみる。片品の水せばまりて
峡
(
けい
)
をなしている処、奔流
碧潭
(
へきたん
)
、両岸の絶壁いずれも凡ならず。一行いずれも意外の景色に驚く。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
▼ もっと見る
上手
(
かみて
)
の眺めにもうち
禿
(
はげ
)
た岩石層は
少
(
すくな
)
く、すべてが微光をひそめた
巒色
(
らんしょく
)
の丘陵であった。
深沈
(
しんちん
)
としたその
碧潭
(
へきたん
)
。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
白金
(
プラチナ
)
の羽の散る
状
(
さま
)
に、ちらちらと映ると、釵は滝壺に
真蒼
(
まっさお
)
な水に沈んで
行
(
ゆ
)
く。……あわれ、
呪
(
のろ
)
われたる
仙禽
(
せんきん
)
よ。
卿
(
おんみ
)
は熱帯の
鬱林
(
うつりん
)
に放たれずして、山地の
碧潭
(
へきたん
)
に
謫
(
たく
)
されたのである。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右にうずくまるのがライオン岩、
深厳
(
しんげん
)
として
赭黒
(
しゃこく
)
である。と、舟は
直
(
ただち
)
に遊仙ヶ岡の
碧潭
(
へきたん
)
にさしかかる。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
白金
(
プラチナ
)
の
羽
(
はね
)
の散る
状
(
さま
)
に、ちら/\と映ると、
釵
(
かんざし
)
は
滝壺
(
たきつぼ
)
に
真蒼
(
まっさお
)
な水に沈んで行く。……あはれ、呪はれたる
仙禽
(
せんきん
)
よ。
卿
(
おんみ
)
は熱帯の
鬱林
(
うつりん
)
に放たれずして、
山地
(
さんち
)
の
碧潭
(
へきたん
)
に
謫
(
たく
)
されたのである。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
晃 鐘は、高く、ここにあって——その影は、深く夜叉ヶ池の
碧潭
(
へきたん
)
に映ると云う。……
撞木
(
しゅもく
)
を当てて鳴る時は、
凩
(
こがらし
)
にすら、そよりとも動かない、その池の水が、さらさらと波を立てると聞く。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それよりして
奥入瀬川
(
おいらせがは
)
の
深林
(
しんりん
)
を
穿
(
うが
)
つて
通
(
とほ
)
る、
激流
(
げきりう
)
、
飛瀑
(
ひばく
)
、
碧潭
(
へきたん
)
の、
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
に、
松明
(
たいまつ
)
の
如
(
ごと
)
く、
灯
(
ともしび
)
の
如
(
ごと
)
く、
細
(
ほそ
)
くなり
小
(
ちひ
)
さくなり、また
閃
(
ひらめ
)
きなどして、——
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
の
湖畔
(
こはん
)
までともなつたのは、この
焚火
(
たきび
)
と
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
潭
漢検1級
部首:⽔
15画
“碧”で始まる語句
碧
碧血
碧玉
碧空
碧眼
碧梧桐
碧落
碧瑠璃
碧色
碧々