-
トップ
>
-
眞俯向
>
-
まうつむ
ハツと
呼吸を
引く。
目口に
吹込む
粉雪に、ばツと
背を
向けて、そのたびに、
風と
反對の
方へ
眞俯向けに
成つて
防ぐのであります。
いつか
四谷の
堂の
扉をのぞいて、
眞暗な
中に
閻王の
眼の
輝くとともに、
本所の
足洗屋敷を
思はせる、
天井から
奪衣の
大婆の
組違へた
脚と、
眞俯向けに
睨んだ
逆白髮に
恐怖をなした
眞俯向けに
行く
重い
風の
中を、
背後からスツと
輕く
襲つて、
裾、
頭をどツと
可恐いものが
引包むと
思ふと、ハツとひき
息に
成る
時、さつと
拔けて、
目の
前へ
眞白な
大な
輪の
影が
顯れます。
續いて
一人の
美少年、
何處より
落ちたりけん、
華嚴の
瀧の
底を
拔けて、
巖の
缺と
藻屑とともに、
雲より
落ちつと
覺しきが、
助けを
呼ぶか
諸手を
上げて、
眞俯向けに
流れ
來しが、あはよく
巖に
住まりて