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ふりがな文庫
“
百済
(
くだら
)” の例文
旧字:
百濟
それから
百済
(
くだら
)
の国の王からは、おうま一
頭
(
とう
)
、めうま一頭に
阿知吉師
(
あちきし
)
という者をつけて
献上
(
けんじょう
)
し、また刀や大きな鏡なぞをも
献
(
けん
)
じました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「聖徳太子伝暦」及び「太子伝
補闕
(
ほけつ
)
記」によると
百済
(
くだら
)
開法師、
円明
(
えんめい
)
師、
下氷新物
(
しもついのにいもの
)
等三人合力して
建立
(
こんりゅう
)
したことになっているが
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
百済野は
大和
(
やまと
)
北葛城
(
きたかつらぎ
)
郡
百済
(
くだら
)
村附近の原野である。「萩の古枝」は冬枯れた萩の枝で、相当の高さと繁みになったものであろう。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「それも、もっとものことばである。しかしながら、
百済
(
くだら
)
国王の貢物は、それを捨てることはできない。だれか、この神を奉ずるものはいないか。」
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
元寇
(
げんこう
)
の折、時宗公が元の使いを斬り、また遠くは
高麗
(
こま
)
百済
(
くだら
)
の無礼なる使者を斬ったというような異国との断絶には当然いくらもあり得ることだが……
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それが仏滅の後五百余年、天竺に留まり、後
百済
(
くだら
)
国に移り、一千年を経て、
欽明
(
きんめい
)
帝の御代に日本に渡り、摂津国難波の浦の底深く金色の光を放っていた。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
百済
(
くだら
)
わたりの
螺鈿
(
らでん
)
の大づくゑに肘をもたせて、鏡ノ
夫人
(
おおとじ
)
はさつきから、うつらうつらと物思ひにふけつてゐる。
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
どこに
事
(
つか
)
えるべき他の大があったであろう。今日法隆寺や夢殿に残された
百済
(
くだら
)
の観音は、支那のどの作品に劣るであろう。またどの作品の模倣であり得よう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
菟道の王が
百済
(
くだら
)
の
王仁
(
わに
)
を
招聘
(
しょうへい
)
して学ばせられたのがはじめでありますから、この御兄弟の皇子の御心こそ、そのまま中国の聖人の精神ともいってよいでしょう。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
その後、
百済
(
くだら
)
もわが国の保護を依頼して、入朝して来たので、わが国威は南朝鮮を
掩
(
おほ
)
ひ、任那に日本府を置いて国司を任じ、事あれば将軍を派遣されたのである。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
それを見て僧都は聖徳太子が
百済
(
くだら
)
の国からお得になった
金剛子
(
こんごうし
)
の
数珠
(
じゅず
)
に宝玉の飾りのついたのを
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
黄金産出のことを記録してある最も古いものは『
続
(
しょく
)
日本紀』であろうと思いますが、それによりますと、
聖武
(
しょうむ
)
天皇の
天平
(
てんぴょう
)
二十一年の二月、
百済
(
くだら
)
の王敬福という者が、今の
文学に現れたる東北地方の地方色:(仙台放送局放送原稿)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
皇室の御上について申さば、神功皇后の御母方は、
新羅
(
しらぎ
)
の王子
天日槍
(
あめのひぼこ
)
の後だとあります。また桓武天皇の御生母なる高野皇太夫人は、
百済
(
くだら
)
王家から出られたお方であります。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
中宮寺
(
ちゅうぐうじ
)
観音、夢殿観音、
百済
(
くだら
)
観音等の神秘は、当時の人心の驚異と憧憬とを語りつくして余さない。初唐の大いなる国民的統一と活力の勃興とは、ある意味で六朝の憧憬の実現である。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
百済
(
くだら
)
観音などは、長細い身体を立ちずくめで千幾百年。
冬の法隆寺詣で
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
百済
(
くだら
)
から来た
青い眼の人形
(新字新仮名)
/
野口雨情
(著)
たとえば
百済
(
くだら
)
観音は仕切った一室にただひとり安置されてある。新しい
天蓋
(
てんがい
)
と
蓮台
(
れんだい
)
もつくられた。すべては美々しく
粧
(
よそお
)
われ、花も
捧
(
ささ
)
げられてある。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それで皇后はさつそくお聞き
届
(
とど
)
けになりまして、
新羅
(
しらぎ
)
の王をおうま
飼
(
かい
)
ということにおきめになり、その
隣
(
となり
)
の
百済
(
くだら
)
をもご
領地
(
りょうち
)
にお定めになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その頃は
新羅
(
しらぎ
)
や
百済
(
くだら
)
の使者が立てつづけに来朝して、内臣の役目はなかなか忙しかつた。王女も結局は笑つて恕すほかはなかつた。つまりは敗けたのである。
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
どこに
事
(
つか
)
えるべき他の大があったであろう。今日法隆寺や夢殿に残された
百済
(
くだら
)
の観音は、支那のどの作品に劣るであろう。またどの作品の模倣であり得よう。
朝鮮の友に贈る書
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
本朝に儒教を
尊
(
たふと
)
みて
専
(
もは
)
ら
王道
(
わうだう
)
の
輔
(
たすけ
)
とするは、
菟道
(
うぢ
)
の
王
(
きみ
)
、
百済
(
くだら
)
の
七六
王仁
(
わに
)
を召して学ばせ給ふをはじめなれば、此の
兄弟
(
はらから
)
の
王
(
きみ
)
の
御
(
み
)
心ぞ、
即
(
やが
)
て
漢土
(
もろこし
)
の
聖
(
ひじり
)
の御心ともいふべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
これは純粋の
雑戸
(
ざっこ
)
で、
熟皮
(
なめしがわ
)
の技術に慣れた
高麗
(
こま
)
人や、
百済
(
くだら
)
人などがこれになったのもありましょうし、
鎧作
(
よろいつくり
)
・
鞆張
(
ともはり
)
・
鞍作
(
くらつくり
)
等、その他一切の皮革を扱うもの、みなこれに属する訳です。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
天皇欽明の十三年十月十三日、
百済
(
くだら
)
の国の聖明王は、太夫の
西部姫氏
(
せいぼうきし
)
を、日本に派遣して、釈迦仏の銅像と経文とを、天皇に貢物としてさし出した。天皇は、群臣にむかって間われた。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
高麗
(
こま
)
、
新羅
(
しらぎ
)
、
百済
(
くだら
)
、
任那
(
みまな
)
など互に攻略して、其処も安住の地でないので、彼等の中には、交通のやうやく開けたのに乗じ、山紫水明にして、気候温和なるわが国に移住帰化したものが多かつた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
よし
新羅
(
しらぎ
)
百済
(
くだら
)
の海の果てへ流さるるも、死を賜うも、
大聖釈尊
(
だいしょうしゃくそん
)
をはじめ無量
諸菩薩
(
しょぼさつ
)
が、われら凡愚
煩悩
(
ぼんのう
)
の
大衆生
(
だいしゅじょう
)
のために、光と、
証
(
あかし
)
とを、ここにぞと立て置かれたもうた念仏の
一行
(
いちぎょう
)
であるものを。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東大寺や薬師寺の本尊のごとき大仏は動かしえぬにしても、
救世
(
くせ
)
観音や
百済
(
くだら
)
観音等は疎開可能であろう。しかし僕は仏像の疎開には反対を表明した。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
なかに
徳利
(
とくり
)
をさげた観音の立像がある。僕は法隆寺の酒買ひ観音を思ひだした。ああ、あの
百済
(
くだら
)
観音さ。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
天皇は
百済
(
くだら
)
の王に向かって、おまえのところに
賢
(
かしこ
)
い人があるならばよこすようにとおおせになりました。王はそれでさっそく
和邇吉師
(
わにきし
)
という学者をよこしてまいりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その鸚鵡——
百済
(
くだら
)
わたりのその白鸚鵡を、
大海人
(
おおしあま
)
ノ皇子へ自身でとどけたものだらうか、それとも何か添へぶみでもして、使ひに持たせてやつたものかしら……などと
鸚鵡:『白鳳』第二部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
その鸚鵡は、たしか五年ほど前、
百済
(
くだら
)
の使ひが奉つた一番ひのうちの一羽である。丹塗りの美々しい籠も、たしかその時のものである。それがいつの間にか、妹の額田ノ姫王の手に渡つてゐた。
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
“百済”の意味
《固有名詞》
(朝鮮史) 朝鮮半島南西部に存在した国家。
(出典:Wiktionary)
“百済”の解説
百済(くだら/ひゃくさい、朝鮮語:백제〈ペクチェ〉、旧字体:百濟、4世紀前半? - 660年)は、古代の朝鮮半島西部、および南西部にあった国家。当時の朝鮮半島には、百済の他に、北部から満洲地方にかけて高句麗が、南東部に新羅が、南部には伽耶諸国がそれぞれ存在しており、朝鮮史の時代区分では三国時代と呼ばれている。
(出典:Wikipedia)
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
済
常用漢字
小6
部首:⽔
11画
“百済”で始まる語句
百済琴
百済観音
百済寺
百済野
百済貞連
百済国
百済木
百済鶏
百済河成