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烱々
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けいけい
ふりがな文庫
“
烱々
(
けいけい
)” の例文
併し藤房をして中興政治の禍根を指摘させて居る所など、『太平記』著者の史眼は
烱々
(
けいけい
)
として、其の論旨は
肯綮
(
こうけい
)
に当って居ると思う。
四条畷の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その者はたしかに興奮のために、夢中になっているに相違なかった。その目は
烱々
(
けいけい
)
と輝き、その顔は、緊張のために引きつけていた。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
待つこと一分ならざるに眼光
烱々
(
けいけい
)
たる老人あり。
闥
(
たつ
)
を排して入り来り、英語にて「よく来た、まあ坐れ」と言う。勿論辜鴻銘先生なり。
北京日記抄
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なぞを解くかぎも、またそこからというように、名人は
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らしてうずくまると、おもむろにその身体検査を始めました。
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
彼れ
白痘
(
はくとう
)
満顔、広額
尖頤
(
せんい
)
、
双眉
(
そうび
)
上に釣り、両頬下に
殺
(
そ
)
ぐ、
鼻梁
(
びりょう
)
隆起、
口角
(
こうかく
)
緊束
(
きんそく
)
、細目
深瞳
(
しんとう
)
、ただ眼晴
烱々
(
けいけい
)
、
火把
(
たいまつ
)
の如きを見るのみ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
見るとなるほど、なか
凹高
(
くぼだか
)
な頭のかたちからして、凡僧とは
異
(
ちが
)
っているし、
眸
(
ひとみ
)
が、眉毛の奥に、ふかく隠れこんで、
烱々
(
けいけい
)
と、射るものを、うける。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年齢は四十歳を、迫らぬほどの眉根濃く、眼光の
烱々
(
けいけい
)
たるものあるにも、それとは著き風采の、温雅にもまた気高し。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
眼光
烱々
(
けいけい
)
と言うと、いかにも古風な形容だが、それがまたぴたりと当てはまる、古武士のような慷堂である。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
烱々
(
けいけい
)
として強く
凄
(
すさま
)
じく、おまけに一種底の知れない深い魅力を
湛
(
たた
)
えているので、グッと一と息に睨められると、折々ぞっとするようなことがあったからです。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
幼にして精敏、
双眸
(
そうぼう
)
烱々
(
けいけい
)
として、日に書を読むこと寸に
盈
(
み
)
ち、文を
為
(
な
)
すに
雄邁醇深
(
ゆうまいじゅんしん
)
なりしかば、郷人呼んで
小韓子
(
しょうかんし
)
となせりという。其の
聰慧
(
そうけい
)
なりしこと知る可し。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ちょっと見ても、その
烱々
(
けいけい
)
として大きくかがやく眼は怖ろしいが、その奥底にはいうべからざる愛情がこもり、近づくものをみな
惹
(
ひ
)
きつけねばやまぬ
趣
(
おもむき
)
があったという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その瞬間、闇の彼方にレヴェズの
烱々
(
けいけい
)
たる眼光が現われ、彼が
喘
(
あえ
)
ぎ
凝
(
こ
)
らす、野獣のような息吹が聴えてきた——と思われたのは、彼等の彩塵が描き出した幻だったのだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ナポレオンの
烱々
(
けいけい
)
とした眼は緞帳の奥から輝いていた。すると、最早や彼女の足は慄えたまま動けなかった。ナポレオンは寝衣の襟を拡げたままルイザの方へ進んでいった。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
すると彼女の眼が
烱々
(
けいけい
)
とかがやいた。欲情的に声をふるわせてミサコが云う。
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
その頃のブラームスは胸幅の広い、髪の毛の美しい、青い
烱々
(
けいけい
)
たる眼と、厳然たる態度を持った偉丈夫で、すべての人に
畏敬
(
いけい
)
されていたということは、残る写真を見てもうなずけることである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
清原 (異様な
悦
(
よろこ
)
びに既に眼は
烱々
(
けいけい
)
と輝き始めている。熱情的な独白)
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
名人の眼光がらんらん
烱々
(
けいけい
)
として輝いたとみえましたが、あの秀麗きわまりない面に、
莞爾
(
かんじ
)
とした微笑がのると、ずばりいったもので——
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
たった今まで酒席にはしゃいでいた諸将も、一瞬に、姿勢を正し、
烱々
(
けいけい
)
と眸をそろえながら、大将曹操の姿を迎えた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ホームズは大きな古い型の椅子に腰かけて、古色蒼然とした顔から
烱々
(
けいけい
)
とした眼光を輝かしていた。
暗号舞踏人の謎
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
粗野な
窮惜大
(
きゅうそだい
)
として終始し、——
梳
(
くしけ
)
ずらぬ獅子の髪、
烱々
(
けいけい
)
たる
鷺
(
わし
)
の眼、伸び放題の
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
、
衣嚢
(
かくし
)
一杯に物を詰めて、裏返しになった上着、底の
傷
(
いた
)
んだ
靴
(
くつ
)
——そういった姿でウィーンの内外を横行し
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
例の
烱々
(
けいけい
)
とした眼光を鋭く放って、いかなる秘密もなぞもおれにかかってはかなわないぞというように、じっとその身辺を見調べました。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
烱々
(
けいけい
)
たる眸は天の一角を射ていた。魯粛は、その眸を、じっと見て、狂人ではないことを信念した。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しからばとばかりに
河岸
(
かし
)
を変えると、矢を射込まれたいぶかしき御用駕籠検分に、
烱々
(
けいけい
)
としてあの鋭い目を光らしながら取って返しました。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
誰にも気づくほど、近ごろは、痩せが見えているが、ただ、あの茶いろをした
眸
(
ひとみ
)
だけが、
烱々
(
けいけい
)
として、相変わらず光っている。そのうえに、
繭
(
まゆ
)
を植えたような白雪の眉がある。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひざまずいたまま
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らして名人は、ややしばし老直訴人の姿をじいっとうち見守っていたかと見えたが、さすがは
慧眼
(
けいがん
)
無双
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「どう読んだな、貴公は」と、彼の問いは深刻で、その眼は、
烱々
(
けいけい
)
として鋭い。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ややしばし
烱々
(
けいけい
)
と鋭く見守っていましたが、べつにうろたえた色も見せず、目の動きもいたって尋常、懸念すべき点はなさそうでしたから
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
別段
烱々
(
けいけい
)
たる眼光を持っているわけでもないし、骨格もすぐれて頑健ともみえない。ただ
異
(
ことな
)
っているのは、何となく、接していると、春風のような温雅な和気につつまれる。髪はまだ白くない。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目の動き、顔いろのそよぎ、心の
芯
(
しん
)
に何ぞ
狼狽
(
ろうばい
)
しているところはないかと、その鋭く
烱々
(
けいけい
)
と光るまなざしでじいっと両名を見すくめました。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
塗
(
ぬり
)
の陣笠に、
金箔摺
(
はくずり
)
の紋が、朝露に濡れていた。大きな口、濃い眉、そして滅多にない長
面
(
づら
)
の人物である。年ごろは三十がらみとしか見えないが、
烱々
(
けいけい
)
と光る眼が、むしろ底気味わるいほどだった。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手もなく引っ立てられて、
烱々
(
けいけい
)
とにらみすえられましたものでしたから、宗助も今はどろを吐くよりしかたがなくなりました。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
武蔵の
烱々
(
けいけい
)
と光っている異様な眼ざしだの、油気のない殺伐な髪の毛だの——体のどこを触れても斬れそうな様子をしているこの青年に、彼はなにかしら、愛せるものを見出しているらしいのである。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
烱々
(
けいけい
)
と目を光らして、手の跡から手の跡を追いながら、その位置をよく見しらべると、湯気抜きの押し窓のちょうど真下になっているのでした。
右門捕物帖:33 死人ぶろ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
白雪の眉、
烱々
(
けいけい
)
たる眸、なお壮者をしのぐものがあった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取り出して、ぬかを払いながら表紙の文字を見ながめるや同時に、名人の目は
烱々
(
けいけい
)
としてさえ渡りました。いかにも奇怪!
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
はだかのままでしばらく考えていましたが、突如! 真に突如、右門の眼はふたた
烱々
(
けいけい
)
と輝きを帯びてまいりました。また、輝きだすのも道理です。
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
七郎兵衛がしぶしぶと手を鳴らしながら陽吉夫婦を呼び招きましたので、右門は
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らしながら、両名のはいりくるのを待ちうけました。
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その両眼は絶えず
烱々
(
けいけい
)
として、川の右岸、すなわち京橋日本橋とは反対側の深川本所側ばかりにそそがれました。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
断じて見のがし聞きのがしたことのない右門の眼が
烱々
(
けいけい
)
として異常な輝きを増すと、鋭いことばがすかさずに、あいきょう者のところへ飛んでまいりました。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
鋭く
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らしながら、何か手がかりになるべき品はないかと、しきりにあちらこちら見調べていましたが、そのときはしなくも目に映ったのは
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
明々白々それなるとくりの中に仕掛けられてあることが一目
瞭然
(
りょうぜん
)
でしたから、事件の急転直下と新規ななぞの突発に、名人の目の
烱々
(
けいけい
)
とさえまさったのは当然
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
爛々
(
らんらん
)
烱々
(
けいけい
)
と目を光らしながら、今、梅丸竹丸両名が竹棒の上にのぼるまえ、そこの板の上に残しておいた石灰の粉末のたび跡の大きさを、じいっと見調べました。
右門捕物帖:14 曲芸三人娘
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
だから、なんじょうその
慧眼
(
けいがん
)
の光らないでいらるべき、
烱々
(
けいけい
)
としてまなこより火を発しさせると、突き刺すごとくに鋭い質問が夫人のところに飛んでいきました。
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
名人の眼光は、しだいに
烱々
(
けいけい
)
と輝きを増しました。こういう頭脳の推断を必要とするネタ調べになると、むっつり流
眼
(
がん
)
のさえは天下独歩、まね手もない、比類もない。
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
烱々
(
けいけい
)
と眼を鋭く光らしていたものは、余人ならぬわれらの大立て者むっつり右門でありました。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らして、ひとり、ふたり、三人とお山同心たちの手に押えられていくしごき
掏摸
(
すり
)
の姿と数を見しらべていましたが、そのときはしなくも目に映ったのは
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ただちに
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らすと、まをおかないで質問が黙山のところに飛んでいきました。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
烱々
(
けいけい
)
とまなこを光らして、腰から胸へ、胸から首筋へ、そのどろの足跡と、あの疑問の
槍傷
(
やりきず
)
でもない、突き傷でもない、刀傷でもない不思議なえぐり傷とを、見比べ見ながめ
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いうまも
烱々
(
けいけい
)
と目を光らしながら、しきりに何か捜しさがし、土手ぎわを上へ上へとなお歩を運ばせていたようでしたが、と——、果然! さえざえとした鋭い声があがりました。
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
帰ると見せて立ち去ったお蘭の家の表のけはいに
烱々
(
けいけい
)
と鋭いまなこを配り放ちました。
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
烱
漢検1級
部首:⽕
11画
々
3画
“烱”で始まる語句
烱眼
烱
烱然
烱光
烱眼家
烱眼洞察