“けいけい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
烱々40.4%
炯々26.0%
軽々16.3%
熒々9.6%
煢々2.9%
㷀々1.0%
敬憬1.0%
炯炯1.0%
熒熒1.0%
軽軽1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その者はたしかに興奮のために、夢中になっているに相違なかった。その目は烱々けいけいと輝き、その顔は、緊張のために引きつけていた。
熊かと疑うばかりに顔中鬚茫々ひげぼうぼうで、その両眼は炯々けいけいとして野獣のように輝いているという怪人物、身にはよごれきった洋服を着
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けだし論者のごとき当時の事情じじょうつまびらかにせず、軽々けいけい他人の言によって事を論断ろんだんしたるがゆえにその論の全く事実にはんするも無理むりならず。
わたくしは枯蘆の中の水たまりによい明星みょうじょう熒々けいけいとして浮いているのに、覚えず立止って、出来もせぬ俳句を考えたりするうち、先へ行く女の姿は早くも夕闇の中にかくれてしまったが
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
他年煢々けいけい孤立、五洲の内を環顧するに一の同種の国なく一の唇歯輔車しんしほしゃ相倚あいよ相扶あいたすくる者なく、徒らに目前区々の小利をむさぼりて千年不滅の醜名を流さば、あに大東男児無前の羞に非ずや。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
遠近おちこち木間このま隠れに立つ山茶花さざんか一本ひともとは、枝一杯に花を持ッてはいれど、㷀々けいけいとして友欲し気に見える。もみじは既に紅葉したのも有り、まだしないのも有る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
特に、第四句で、「榜ぎ別れなむ」と切って、結句で、「家のあたり見ず」と独立的にしたのも、その手腕敬憬けいけいすべきである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
怪物蠅男は、見るもいまわしい土色の面に悪鬼のような炯炯けいけいたる眼を光らかし、激しき息づかいをしながら、部屋の隅からじりじりと寝台の向うに立つ帆村探偵に向って近付いて来るのであった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
見ルニ帳帷闃寂ちょういげきせき行李蕭然こうりしょうぜんタリ。誠県灯火熒熒けいけいノ中に端坐ス。ケダシ奇禍測リガタキヲ以テ京師ヲ去リソノ故里松坂ニ潜マント欲シ、天明ヲ待テマサニ発セントセシナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
けれどもまた彼等の作品を一笑してしまふ人人にもやはり軽軽けいけいに賛成出来ない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)