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滿面
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まんめん
拜借仕つり度是迄
推參候といふに
強慾無道の天忠和尚
滿面に
笑を
含み夫は
重疊の事なり
扨其
譯は如何にと尋ぬるに大膳は
膝を
進め聲を
元來咽喉を
害してゐた
私は、
手巾を
顏に
當てる
暇さへなく、この
煙を
滿面に
浴びせられたおかげで、
殆、
息もつけない
程咳きこまなければならなかつた。
私は
滿面に
笑を
湛えて
大佐の
手を
握り、かゝる
災難の
間にも
互の
身の
無事なりし
事をよろこび、さて
女王樣は
滿面朱をそゝいだやうに
眞赤になつてお
怒りになりました、
暫時の
間野獸の
如く
愛ちやんを
凝視てお
在でになりましたが、
軈て、『
頭を
刎ね
飛ばすぞ!
刎ね——』と
叫ばれました。
船長は
周章てゝ
起上つたが、
怒氣滿面、けれど
自己が
醜態に
怒る
事も
出來ず、ビール
樽のやうな
腹に
手を
當てゝ、
物凄い
眼に
水夫共を
睨み
付けると、
此時私の
傍には
鬚の
長い、
頭の
禿た
大佐は
滿面に
笑を
堪へつゝ