えき)” の例文
「おや、サルサこんえきのはいったびんを持ってくるのをわすれたよ。ちょいとおまえさん、大いそぎでとってきておくれよ」
それはね、水はけ——ではないえきはけをよくすることだ。上から滲みこんで来た液は、といとか下水管げすいかんのようなものに受けて、どんどん流してしまうことだ。
それで内部ないぶいろのあるえきふくんで、そのつよひかりさへぎるわけで、つまり若葉わかば自分自身じぶんじしん保護ほごをするのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それは砂糖の木であった。一同はこの木のみきをきって、そのきり目からふきだすところのえきをあつめて、それを煮つめると、なべの底に砂糖のかたまりがのこった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
年老としとって、こしがったかしわのは、これらのむしたちにかわきずつけられて、あまえきわれているのを苦痛くつうかんずるのでありましょうが、どうすることもできずにいました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
生理学上で食物を消化するのは五つのえきだ。第一が唾液だえき、第二が胃液、第三が膵液すいえき、第四が胆汁たんじゅう、第五が腸液さ。そのうちで唾液と膵液と腸液の三種が米や麦のような澱粉質を消化する。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
藥屋くすりやしゆ寫眞材料店しやしんざいれうてん、名かたかん板のはんダース、現像液げんぞうえきていえきさら、赤色とう、それだけは懇願こんぐわんすゑ母から金をもらつたのだつたが、むねをどらせながら、おし入へもぐりんでかん板を裝置そうちして
すると、とっくりのくちにつけたくだのさきから、たらたらとえきがながれてきました。これがアンモニアですが、そのくさいこと、くさいこと、じゅくのせまいにわでやっているのですから、たまりません。
この褐色のえきがお前のなかがれるのだ。
試験管しけんかんをならべ、毒薬どくやくとかかれた茶色ちゃいろのびんをとりあげると、試験管の中に、たらたらと、三、四てきえきをたらしこんだ。
ぽたりとかすかな音がした。茶色のえきの玉が空白の頁の上に盛上って一つ。課長は大湯呑を目よりも上にあげて、湯呑の尻を観察した。それからその尻を太い指でそっとでてみた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人は、お手伝いのミリーよりも早く起きて、いつものように穴蔵あなぐらにしこんだビールにサルサこんからとったえきをまぜ、いちだんとあじをよくしようというのだ。