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泡立
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あわだ
ふりがな文庫
“
泡立
(
あわだ
)” の例文
せいろんへ——無作法な笑い声のあいだから
妖異
(
ようい
)
な諸国語を
泡立
(
あわだ
)
たせて、みんなひとまず、首府コロンボ港で欧羅巴からの船を捨てた。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
忽
(
たちま
)
ち、
潮
(
うしほ
)
は
泡立
(
あわだ
)
ち、
波
(
なみ
)
は
逆卷
(
さかま
)
いて、
其邊
(
そのへん
)
海嘯
(
つなみ
)
の
寄
(
よ
)
せた
樣
(
やう
)
な
光景
(
くわうけい
)
、
私
(
わたくし
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
鐵鎖
(
てつさ
)
を
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
此處
(
こゝ
)
千番
(
せんばん
)
に
一番
(
いちばん
)
と
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
障害は水を
泡立
(
あわだ
)
たしめ、人類を沸騰せしむる。そこに混乱が生ずる。しかしその混乱の後にも多少前進したことが認められる。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
こんなに髪をくしゃくしゃにして、ガランスのかった古い花模様の蒲団の中から乗り出していると、私の胸が夏の海のように
泡立
(
あわだ
)
って来る。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
さっと
一汐
(
ひとしお
)
、
田越川
(
たごえがわ
)
へ上げて来ると、じゅうと水が染みて、その
破
(
や
)
れ
目
(
め
)
にぶつぶつ
泡立
(
あわだ
)
って、やがて、満々と水を湛える。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
入れてよくよく
泡立
(
あわだ
)
たせてレモン汁かライムジュースか何か
酸
(
す
)
いものを白身へ加えてまた泡立たせて今のソースをコップへ注いでその上へ白身を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
少し風のある日で、長い
汀
(
なぎさ
)
には寄せ返す波が白く
泡立
(
あわだ
)
ち、はるかな沖に漁をする舟が幾つか見えていました。
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼の
身体
(
からだ
)
を作上げている、あらゆる元素どもが、彼の
皮膚
(
ひふ
)
の下で、
物凄
(
ものすご
)
く(ちょうど、後世の化学者が、試験管の中で試みる実験のように)
泡立
(
あわだ
)
ち、
煮
(
に
)
えかえり
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
今まで花のような模様を描いて、海面のところどころに日光を恵んでいた空が、急にさっと薄曇ると、どこからともなく
時雨
(
しぐれ
)
のような
霰
(
あられ
)
が降って来て海面を
泡立
(
あわだ
)
たす。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
がとにかく、いままで風のために平らにおさえつけられて
泡立
(
あわだ
)
っていた波は、いまではまるで山のようにもり上がってきました。また、空にも不思議な変化が起っていました。
メールストロムの旋渦
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
と、
泡立
(
あわだ
)
つビールのコップをかゝへた手を中間で波のやうに顫はせて香川は声高に笑つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
銀匙
(
ぎんさじ
)
がある。歓声がある。笑語がある。
泡立
(
あわだ
)
つシャンパンの杯がある。そうしてすべての上の冠として美しい
女性
(
にょしょう
)
がある。三四郎はその女性の
一人
(
ひとり
)
に口をきいた。一人を二へん見た。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
泡立
(
あわだ
)
つ激流の音は聞こえていたが、川の面は見えなかった。おりおり、目が
眩
(
くら
)
むばかりのその深みの中に、一条の明るみが現われて
茫漠
(
ぼうばく
)
たるうねりをなした。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
よく晴れた日で、遠くところ島の岩礁が白く
泡立
(
あわだ
)
っているのが見え、ゆるい東南の風に送られて、沖のほうから寄せる波が
足許
(
あしもと
)
の岩にうち当ってさあと砕けた。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
海
(
うみ
)
の
面
(
おもて
)
は
瀧壺
(
たきつぼ
)
のやうに
泡立
(
あわだ
)
つて、
酷
(
ひど
)
いも
酷
(
ひど
)
くないも、
私
(
わたくし
)
と
少年
(
せうねん
)
とは、
頭
(
あたま
)
を
抱
(
かゝ
)
へて、
艇
(
てい
)
の
底
(
そこ
)
へ
踞
(
うづくま
)
つてしまつたが、
其爲
(
そのため
)
に、
昨夜
(
さくや
)
海水
(
かいすい
)
に
浸
(
ひた
)
されて、
今
(
いま
)
漸
(
やうや
)
く
乾
(
かわ
)
きかけて
居
(
を
)
つた
衣服
(
きもの
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
こう解釈した時彼は、今まで
泡立
(
あわだ
)
っていた自分の好奇心に幾分の冷水を
注
(
さ
)
したような満足を覚えると共に、予期したよりも平凡な方角に、手がかりが一つできたと云うつまらなさをも感じた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眩
(
まぶ
)
しいほどに白く、なめらかに豊満な、美しい双のまるみが、
泡立
(
あわだ
)
つ水の中へ沈んでゆくのが見えた。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
淵から三段ばかり上に棚瀬があり、水が白く
泡立
(
あわだ
)
って落ちている。魚はその棚瀬で跳ねたらしい。半三郎が眼をやると、また一尾、かなり大きな魚が跳ねて、棚瀬の向うへ姿を消した。
鵜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
濃紺色の海が荒れて白く
泡立
(
あわだ
)
ち、もう大陸からの寒風が吹きだしていた。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
川幅はそこでもっとも広くなるが、いまは水の少ない季節で、広い河原のあいだを、細い流れを合したり離れたりして、それでも、瀬のあるところでは、白く
泡立
(
あわだ
)
ち、爽やかな音をひびかせていた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
泡
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“泡”で始まる語句
泡
泡沫
泡盛
泡鳴
泡雪
泡沫夢幻
泡食
泡斎
泡吹
泡咲