格好かつかう)” の例文
それは一方ひとかたならぬ大騒で、世話人らしい印半纏しるしばんてんを着た五十格好かつかう中老漢ちゆうおやぢが頻りにそれを指図して居るにもかゝはらず、一同はまだ好く喞筒のつかひ方にれぬと覚しく
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
其時そのとき同僚どうれうは、一口ひとくち説明せつめい出來でき格好かつかう言葉ことばつてゐなかつたとえて、まあ禪學ぜんがく書物しよもつだらうといふやうめう挨拶あいさつをした。宗助そうすけ同僚どうれうからいたこの返事へんじおぼえてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みんなめう格好かつかうをするわ
けれどもさや格好かつかうあたか六角ろくかくかしぼうやうあつかつた。よくると、つかうしろほそぼうが二ほんならんでさつてゐた。結果けつくわさやかさねてはなれないためぎん鉢卷はちまきをしたとおなじであつた。主人しゆじん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それからおほきなあかだい/\御供おそなへうへせて、とこゑた。とこには如何いかゞはしい墨畫すみゑうめが、はまぐり格好かつかうをしたつきいてかゝつてゐた。宗助そうすけにはこのへんぢくまへに、だい/\御供おそなへ意味いみわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)