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摺足
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すりあし
ふりがな文庫
“
摺足
(
すりあし
)” の例文
とひょいと立つと、
端折
(
はしょ
)
った
太脛
(
ふくらはぎ
)
の
包
(
つつ
)
ましい
見得
(
みえ
)
ものう、ト身を返して、
背後
(
うしろ
)
を見せて、つかつかと
摺足
(
すりあし
)
して、奥の
方
(
かた
)
へ駈込みながら
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金之助は
摺足
(
すりあし
)
ではいった。
緋
(
ひ
)
の
毛氈
(
もうせん
)
を敷いて、
酒肴
(
しゅこう
)
の膳を前に民部康継が坐っていた。金之助は思わずあっと云ってそこへ手をおろした。
落ち梅記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
色白の女のように色の白い人で、お能役者のような
摺足
(
すりあし
)
で歩いて、
小倉
(
こくら
)
の
袴
(
はかま
)
を引きずり、さほど年もとっていないのに背中を丸くしていた。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
越して太田に泊る宿狹けれど給仕の娘
摺足
(
すりあし
)
にて
茶
(
ちや
)
つた
待遇
(
もてなし
)
なり翌日雨降れど
昨日
(
きのふ
)
の車夫を雇ひ置きたれば車爭ひなくして無事に出立す
母衣
(
ほろ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
坐舗へ這入りざまに文三と顔を見合わして
莞然
(
にっこり
)
、チョイと会釈をして
摺足
(
すりあし
)
でズーと火鉢の
側
(
そば
)
まで参り、
温藉
(
しとやか
)
に坐に着く。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
其の頃だから
半髪青額
(
はんはつせいてん
)
でまだ若い十七八の男と、二十七八になる男と二人がすうと
摺足
(
すりあし
)
をして出て来ました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう二度と振向かずに廊下を
摺足
(
すりあし
)
に歩いて、番茶の
香
(
かおり
)
が洩れる教員室にまた入ってしまった。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは何の
狐疑心
(
こぎしん
)
でもなく裏の様子を見るための
摺足
(
すりあし
)
でありましたが、そこまで行かぬ
櫺子
(
れんじ
)
の窓下へ来かかると、二寸ほど開いている小障子の間から、
春陽
(
はるび
)
に
蒸
(
む
)
れる
煎薬
(
せんやく
)
のにおいが
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暗いところを
摺足
(
すりあし
)
して歩いて来るのは、女中のおとうに違いありません。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しばらくすると、
再
(
ふたゝ
)
び、しと/\しと/\と
摺足
(
すりあし
)
の
輕
(
かる
)
い、
譬
(
たと
)
へば
身體
(
からだ
)
の
無
(
な
)
いものが、
踵
(
きびす
)
ばかり
疊
(
たゝみ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
來
(
く
)
るかと
思
(
おも
)
ひ
取
(
と
)
られた。また
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げると
何
(
なん
)
にも
居
(
を
)
らない。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰を
屈
(
かが
)
め、
摺足
(
すりあし
)
にて、撫子の前を通り、すすむる
蒲団
(
ふとん
)
の座に、がっきと着く。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんな脂切ったのがあるかと思うと、
病上
(
やみあが
)
りの
蒼
(
あお
)
っしょびれが、
頬辺
(
ほっぺた
)
を
凹
(
くぼ
)
まして、インバネスの下から信玄袋をぶら下げて、ごほごほ
咳
(
せき
)
をしながら、
日南
(
ひなた
)
を
摺足
(
すりあし
)
で
歩行
(
ある
)
いて行く。弟子廻りさ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この時、人声静まりて、橋がかりを
摺足
(
すりあし
)
して、
膏薬
(
こうやく
)
練
(
ねり
)
ぞ出で
来
(
きた
)
れる。その顔は
前
(
さき
)
にわれを引留めて、ここに伴いたるかの
女
(
むすめ
)
に
肖
(
に
)
たるに、ふと
背後
(
うしろ
)
を見れば、別なるうつくしき女、いつか来て坐りたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“摺”で始まる語句
摺
摺鉢
摺寄
摺違
摺物
摺剥
摺付
摺硝子
摺抜
摺餌