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押籠
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おしこ
ふりがな文庫
“
押籠
(
おしこ
)” の例文
これではまるで
押籠
(
おしこ
)
め同様だ、そう思った、想いは暗く、光りも希望もなかった、窓からは晴れて
爽
(
さわ
)
やかに風のわたる空が見えた。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
飛
(
と
)
んでもないこと——、御新造様は今晩、御領地の信州へ、通し
駕籠
(
かご
)
で
伴
(
つ
)
れて行かれ、一生
其処
(
そこ
)
へ
押籠
(
おしこ
)
められるので御座います」
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おおロケット! どうしたかリーマン博士! 彼はわれわれをこの艇内に
押籠
(
おしこ
)
めて、地球を後に
決然
(
けつぜん
)
大宇宙へ飛ぼうとするのだ!
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この事知りて
諌
(
いさ
)
めし、内閣の秘書官チイグレルは、ノイシュワンスタインなる塔に
押籠
(
おしこ
)
めらるるはずなりしが、救ふ人ありて助けられき。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
自分をお
叩頭
(
じぎ
)
させたり
押籠
(
おしこ
)
めたり裸にしたり踏踣したり、また場合に依ツたら
殺
(
ころ
)
しもすることの出來る力があるかも知れぬが、たゞ一ツ
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
その男への執着でなく、霊の恋の記念のものだけが焼きすてかねて、再び見まい、手にも触れまいと、一包にくくって、
行李
(
こうり
)
の底に
押籠
(
おしこ
)
んでしまった。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
御家門
(
ごかもん
)
の越後侯ですら、家中仕置不行届で領地を召しあげられ伊予の果てへ
押籠
(
おしこ
)
めになった。いかに榊原氏が御譜代でも、いざとなれば
参酌
(
さんしゃく
)
はないのである。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
心の底に
押籠
(
おしこ
)
められながら焦々した怒ろしい
想
(
おも
)
いはこの豊潤な肉体に対し、いよいよその豊潤を刺激して引立てる内部からの香辛料になったような気がする。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
お菊は自分の部屋へ
押籠
(
おしこ
)
められてしまった。初めから覚悟を決めている彼女は、ちっとも悪びれずに控えていると、暮六つの鐘がまだ聞えないうちに播磨は帰って来た。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
繋留場には、種牛の外に、二頭の牡牛も
繋
(
つな
)
いであつて、丁度死刑を宣告された罪人が
牢獄
(
ひとや
)
の内に
押籠
(
おしこ
)
められたと同じやうに、一刻々々と近いて行く
性命
(
いのち
)
の終を
翹望
(
まちのぞ
)
んで居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、それが意識下に
押籠
(
おしこ
)
められて、精神的に彼を煙草嫌いにさせて了ったのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
明
(
あ
)
くれば治承四年、
淨海
(
じようかい
)
が
暴虐
(
ばうぎやく
)
は猶ほ
已
(
や
)
まず、
殿
(
でん
)
とは名のみ、
蜘手
(
くもで
)
結びこめぬばかりの
鳥羽殿
(
とばでん
)
には、
去年
(
こぞ
)
より法皇を
押籠
(
おしこ
)
め奉るさへあるに、
明君
(
めいくん
)
の聞え高き
主上
(
しゆじやう
)
をば、何の
恙
(
つゝが
)
もお
在
(
は
)
さぬに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
父は磯良が
五九
切なる
行止
(
ふるまひ
)
を見るに忍びず、正太郎を責めて
押籠
(
おしこ
)
めける。磯良これを悲しがりて、
六〇
朝夕の
奴
(
つぶね
)
も
殊
(
こと
)
に
実
(
まめ
)
やかに、かつ袖が方へも
私
(
ひそか
)
に物を
餉
(
おく
)
りて、
信
(
まこと
)
のかぎりをつくしける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
捉
(
つか
)
まった夜からすぐ、つなはこの部屋に
押籠
(
おしこ
)
められた。家人には内密らしい、もう六十ばかりになる老女が、一人でつなの世話をした。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何方
(
どつち
)
にしても、俺の體は縛られてゐるんだ………縛られてゐるばかりじやない。
窮窟
(
きうくつ
)
に
押籠
(
おしこ
)
められてゐるんだ。何うしたら此の
繩
(
なわ
)
が解けるんだ、誰か、俺を
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
お糸さまは飯倉のお長屋に
押籠
(
おしこ
)
めなっていられたのだそうですが、このほど、吉原へ
奴勤
(
やっこづと
)
めに下げられることにきまったので、その前にお別れにいらっしゃったのです。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ではすぐに聞けるだろう、ここに
押籠
(
おしこ
)
められているおれの耳にも聞えたのだ、甲斐にも聞える筈だからよく聞くがいい、彼はいま周防を
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それからまた、
我々
(
われ/\
)
の住むでゐる、社會には、何故人間を
作
(
こさ
)
へる學校と人間を
押籠
(
おしこ
)
めて置く監獄とが存在してゐるのであろう。また何が故に別
莊
(
そう
)
を
有
(
も
)
つてゐる人と
養育院
(
やういくゐん
)
に入る人と。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
栄二は
手鎖
(
てぐさり
)
の音をさせながら蚊を追った。そこは大川に面した長屋の空き部屋で、二人はもう十余日もいっしょに、その部屋へ
押籠
(
おしこ
)
められていた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十郎太は
押籠
(
おしこ
)
められている家士たちを解放しにゆき、こいそは(やはり禁足されている)小者や召使たちに知らせて、朝食の支度をさせるために出ていった。
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこはかつて、栄二が清七といっしょに手鎖の仕置を受けて、三十日のあいだ
押籠
(
おしこ
)
められていた部屋である。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
林市郎兵衛の許婚者で、紀伊家の小田原河岸の下屋敷へ奥女中に入った娘があり、そこに
押籠
(
おしこ
)
められている徹之助の妻と、連絡をとるような手筈になっていた。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「寛文三年このかた自分の意志で国老を辞任したのに、罪あって
押籠
(
おしこ
)
められたというように届けられたそうである、この点を公儀において究明してもらいたい」
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あたしのことなど爪の先ほども気にしなかったくせに、国吉と逢ったらあんなひどい騒ぎかたをした、僅か三日とはいえ、あたしを
押籠
(
おしこ
)
めにしたし、国吉には暇を出した」
榎物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「だってあなたは向うの一味でしょ、
押籠
(
おしこ
)
められていたって、どこからどう連絡がつかないものでもないし、万三郎さまはあのとおり正直な方ですから、あなたが
騙
(
だま
)
すくらいぞうさのないことですもの」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“押籠(
押込
)”の解説
押込(おしこめ、押籠)とは、中世から近世にかけての日本で行われた刑罰の一つ。
(出典:Wikipedia)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“押”で始まる語句
押
押入
押込
押立
押被
押付
押戴
押遣
押上
押取