我手わがて)” の例文
天上の最もあきらかなる星は我手わがてに在りと言はまほしげに、紳士は彼等のいまかつて見ざりしおほきさの金剛石ダイアモンドを飾れる黄金きんの指環を穿めたるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ほゝにく引掴ひツつかんで、口惜涙くやしなみだ無念むねんなみだ慚愧ざんきなみだせんずれば、たゞ/\最惜いとをしさのなみだはては、おなじおもひを一所いつしよにしようと、われらこれまたとほり、兩眼りやうがんわれ我手わがて
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
両人ふたりの者へなげきを掛けるような事が身にむくったのだ、今また其の方を我手わがてで殺すとはあーア飛んだ事、是も皆天のばち、こりゃア頭髪かしら剃毀そりこぼって罪滅ぼしを致さんければ世にられぬ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
棍棒ばうぎれのやうに揮𢌞ふりまはして、われ我手わがてこの腦天なうてんをばくだきゃせぬか? あれ/\! チッバルトの怨靈をんりゃうが、細刃ほそみられた返報へんぽうをしようとて、ロミオを追𢌞おひまはしてゐるのがゆるやうぢゃ! あ、あれ
我手わがてを見んと求むるは。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
それはこの我手わがて
徐大盡じよだいじんなんとしたか、やあ、とに、とびらのなりにかはして、畫師ゑしが、すつと我手わがてけて
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うして此の蓋が我手わがてにある事かとびっくり致しました。
我手わがての花はれ知らん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
禪師ぜんじられたるくび我手わがて張子はりこめんごとさゝげて、チヨンと、わけもなしにうなじのよきところせて、大手おほでひろげ、ぐる數十すうじふぞくうてすこやかなることわしごとし。ついきずえてせずとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我手わがての花はしをれゆく……
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
我手わがてで巻くので、花は雪のように降りかかった。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)