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懇切
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こんせつ
ふりがな文庫
“
懇切
(
こんせつ
)” の例文
ブラームスを迎えたリストが、その持前の寛容と
懇切
(
こんせつ
)
で、どんなによくブラームスを遇したかは言うまでもない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
大富
(
おおとみ
)
からの
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
と聞いたお
政
(
まさ
)
は手のものを
投
(
な
)
げだしてきた。
懇切
(
こんせつ
)
に使いの人の
労
(
ろう
)
を
感謝
(
かんしゃ
)
したうえに、こまごまと死者のうえについての話を聞こうとする。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ニャートンの関所へ掛り、我は日本の仏教徒で仏教修行に来た者であるから入れてくれろといって
懇切
(
こんせつ
)
に話を
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
鑢
(
やすり
)
かけして、
相造
(
すがたづく
)
りが終ると、
焼入
(
やきい
)
れにかかった。弟子に教えることは
懇切
(
こんせつ
)
だった。だが、清人は清人だけの才分しかなかった。何か、気に触れた時である。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卯平
(
うへい
)
も
患者
(
くわんじや
)
の一
人
(
にん
)
でさうしてお
品
(
しな
)
の
家
(
いへ
)
に
惱
(
なや
)
んで
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
の
懇切
(
こんせつ
)
な
介抱
(
かいはう
)
から
彼
(
かれ
)
は
救
(
すく
)
はれた。
彼
(
かれ
)
はどうしても
瀕死
(
ひんし
)
の
女房
(
にようばう
)
の
傍
(
かたはら
)
に
病躯
(
びやうく
)
を
運
(
はこ
)
ぶことが
出來
(
でき
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
また
吾人
(
ごじん
)
の真情や実況を一通り心得ている友人が
懇切
(
こんせつ
)
に我々に忠告するときにも、ややもすればこの男がまだまだ
俺
(
おれ
)
の腹の中を知らんわい、なんと見当違ったことをいうものかと
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
はじめの
間
(
あひだ
)
は
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
私
(
わたくし
)
も
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せては
此
(
この
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
幸運
(
かううん
)
をよろこび、
大佐等
(
たいさら
)
の
懇切
(
こんせつ
)
なる
待遇
(
もてなし
)
を
感謝
(
かんしや
)
しつゝ、いろ/\と
物語
(
ものがた
)
つて
居
(
を
)
つたが、
何時
(
いつ
)
か十
數日
(
すうにち
)
以來
(
いらい
)
の
烈
(
はげ
)
しき
疲勞
(
つかれ
)
の
爲
(
た
)
めに
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いづれも
厚情
(
こうじやう
)
、
懇切
(
こんせつ
)
のお
見舞
(
みまひ
)
である。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あってみない前の思いほどでなく、お光さんもただ
懇切
(
こんせつ
)
な身内の人で予も平気なればお光さんも平気であったに、ただ一日お光さんは夫の許しを得て、予らと磯に遊んだ。
紅黄録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
が、家康は、信雄にたいして、その理由を説明するのに、実に、
懇切
(
こんせつ
)
と
鄭重
(
ていちょう
)
を極めた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このことについては
親戚
(
しんせき
)
友人から折々忠告もされたが、しかし非常に行きづまって進退これきわまるときまで、その忠告のいかに
懇切
(
こんせつ
)
に、いかに
穿
(
うが
)
っているかを味わうことができなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
友人というのは、
某会社
(
ぼうかいしゃ
)
の
理事
(
りじ
)
安藤某
(
あんどうぼう
)
という
名刺
(
めいし
)
をだして、年ごろ四十五、六、
洋服
(
ようふく
)
の
風采
(
ふうさい
)
堂
(
どう
)
どうとしたる
紳士
(
しんし
)
であった。主人は
懇切
(
こんせつ
)
に
奥
(
おく
)
に
招
(
しょう
)
じて、花前の一
身
(
しん
)
につき、
問
(
と
)
いもし
語
(
かた
)
りもした。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
彼は我々の質問に対し
懇切
(
こんせつ
)
によく説明してくれたと
謝
(
しゃ
)
する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“懇”で始まる語句
懇
懇意
懇々
懇望
懇願
懇篤
懇請
懇談
懇親
懇親会