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なさけな
ふりがな文庫
“
情無
(
なさけな
)” の例文
それを私は
情無
(
なさけな
)
く、瓦の一撃で殺してしまった——そう思った時の私の苦しさは、ひとえに先生の御推察を仰ぐほかはございません。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
アンドレイ、エヒミチは
奈何
(
いか
)
にも
情無
(
なさけな
)
いと
云
(
い
)
ふやうな
聲
(
こゑ
)
をして。『
奈何
(
どう
)
して
君
(
きみ
)
、
那樣
(
そんな
)
に
可
(
い
)
い
氣味
(
きみ
)
だと
云
(
い
)
ふやうな
笑樣
(
わらひやう
)
をされるのです。 ...
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
友達は
情無
(
なさけな
)
ささうな顔をした。ロツクフエラアが生れて一度も新約全書を読まなかつたと白状したところで、まさかそんな表情はすまいと思はれる程の顔だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あとで
兩人
(
ふたり
)
はやや暫く無言に眼を見合せてゐた。自分は微笑んで、友はさも
情無
(
なさけな
)
いといふ風で。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
何
(
なん
)
と、お
祖父
(
ぢい
)
さん、
情無
(
なさけな
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
となったではござらぬか、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
流行
(
りうかう
)
を
仕入𢌞
(
しいれまは
)
って
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
然し其悲鳴して他の雄犬を追かける声は、世にも
情無
(
なさけな
)
げな、苦痛其ものゝ声である。弱い者素より苦み、強い者がまた苦む。
生物
(
せいぶつ
)
は皆苦む。思うに
惨
(
いた
)
ましく、見るに浅ましい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お玉はお腹は減るし足は疲れるし
只
(
ただ
)
情無
(
なさけな
)
さに「お母さん/\」と泣き叫び
乍
(
なが
)
ら
何処
(
どこ
)
を
当
(
あて
)
ども無く広野原を歩いて
行
(
ゆ
)
きましたが
其中
(
そのうち
)
に泣き疲れて
只
(
と
)
ある
叢
(
くさむら
)
の中に倒れて眠つてしまひました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
両親の
歿
(
なくな
)
つたのも、
私
(
わたくし
)
であれ、貴方であれ、かうして泣いて悲む者は、ここに居る二人きりで、世間に誰一人……さぞ
衆
(
みんな
)
が喜んでゐるだらうと思ふと、唯親を
喪
(
なくな
)
したのが
情無
(
なさけな
)
いばかりではないのですよ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
息も引かぬ
内
(
うち
)
に
情無
(
なさけな
)
い長虫が路を切った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殺害に及びしなどとは
夢
(
ゆめ
)
にも知らぬ
無實
(
むじつ
)
の難にて入牢なし其事故の
分明
(
あきらか
)
に
別
(
わか
)
らぬ内に
情無
(
なさけな
)
くも牢死に及びける故遂に死人に口なしとて
悉皆
(
こと/″\
)
く長庵の
佞辯
(
ねいべん
)
により
種々
(
いろ/\
)
言廻
(
いひまは
)
され
夫
(
をつと
)
道十郎の
罪科
(
ざいくわ
)
とは定まりし事無念
骨髓
(
こつずゐ
)
に
徹
(
とほ
)
り女ながらも
再度
(
ふたゝび
)
願
(
ねが
)
ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
トウルゲネフは幼い時分、意地の悪い年上の子供にいぢめられた覚えがある、——丁度そんな
情無
(
なさけな
)
さが、この時も胸へこみ上げて来た。
山鴫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
アンドレイ、エヒミチはいかにも
情無
(
なさけな
)
いと
云
(
い
)
うような
声
(
こえ
)
をして。『どうして
君
(
きみ
)
、そんなにいい
気味
(
きみ
)
だと
云
(
い
)
うような
笑様
(
わらいよう
)
をされるのです。 ...
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
賽の河原は
乱脈
(
らんみゃく
)
である。
慈悲柔和
(
じひにゅうわ
)
にこ/\した地蔵様が出て来て慰めて下さらずば、賽の河原は、実に
情無
(
なさけな
)
い
住
(
す
)
み
憂
(
う
)
い場所ではあるまいか。旅は道づれ世は
情
(
なさけ
)
、
我儕
(
われら
)
は情によって生きることが出来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
息
(
いき
)
も
引
(
ひ
)
かぬ
内
(
うち
)
に
情無
(
なさけな
)
い
長虫
(
ながむし
)
が
路
(
みち
)
を
切
(
き
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
憐むべき田中君は、世にも
情無
(
なさけな
)
い眼つきをして、まるで別人でも見るように、じろじろお君さんの顔を眺めた。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
醫學
(
いがく
)
なるものを、つくづくと
情無
(
なさけな
)
い
者
(
もの
)
に
感
(
かん
)
じたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
医学
(
いがく
)
なるものを、つくづくと
情無
(
なさけな
)
い
者
(
もの
)
に
感
(
かん
)
じたのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“情”で始まる語句
情
情夫
情婦
情人
情誼
情緒
情事
情合
情景
情死