子細わけ)” の例文
其樣そのやうなつまらぬことはづい、おまへおもふてれるほど世間せけんしをおもふてれぬから、まあ安心あんしんしてるがいと子細わけことつれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まだ結ひこめぬ前髮の毛の濡れて見ゆるも子細わけありとはしるけれど、子供心に正太は何と慰めの言葉も出ず唯ひたすらに困り入るばかり、全体何が何うしたのだらう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人は怪しがりて病ひのせいかと危ぶむも有れども母親一人ほほ笑みては、今におきやんの本性は現れまする、これは中休みと子細わけありげに言はれて、知らぬ者には何の事とも思はれず
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとあやしがりてやまひのせいかとあやぶむもれども母親はゝおや一人ひとりほゝみては、いまにおきやん本性ほんしようあらはれまする、これは中休なかやすみと子細わけありげにはれて、らぬものにはなんことともおもはれず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これはなんとせしことれるやうな新紙幣あたらしきをばかり、其數そのかずおよそ二十もかさねてうへに一つうらうるより仰天ぎやうてんおもひにりて、むね大波おほなみごとく、さてこそ子細わけありけれとくるふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美登利は更に答へも無くおさゆる袖にしのびの涙、まだ結ひこめぬ前髪の毛のれて見ゆるも子細わけありとはしるけれど、子供心に正太は何と慰めの言葉もいでただひたすらに困り入るばかり
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美登利みどりさらこたへもおさゆるそでにしのびなみだ、まだひこめぬ前髮まへがみれてゆるも子細わけありとはしるけれど、子供心こどもごゝろ正太しようたなんなぐさめの言葉ことばいでたゞひたすらにこまるばかり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今におきやんの本性は現れまする、これは中休みと子細わけありげに言はれて、知らぬ者には何の事とも思はれず、女らしう温順しう成つたと褒めるもあれば折角の面白い子を種なしにしたと誹るもあり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)