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妻子
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つまこ
ふりがな文庫
“
妻子
(
つまこ
)” の例文
それから
妻子
(
つまこ
)
や書生の御機嫌取りだが、これも生きている利子と思えば何でもない。好きな小説本か何か読んで何も考えずに寝てしまう。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうしているところへ、
大国主神
(
おおくにぬしのかみ
)
の子で、
下照比売
(
したてるひめ
)
のおあにいさまの
高日子根神
(
たかひこねのかみ
)
がお
悔
(
くや
)
みに来ました。そうすると
若日子
(
わかひこ
)
の父と
妻子
(
つまこ
)
たちは
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
母もいらぬ、
妹
(
いもと
)
もいらぬ、
妻子
(
つまこ
)
もいらぬ。慾もなければ得もない。それでいてお露が
無暗
(
むやみ
)
に可愛のは不思議じゃないか。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「慾には、これで、
家
(
うち
)
にいる
妻子
(
つまこ
)
の顔を一目見て死にたいと思いますが、それは
煩悩
(
ぼんのう
)
と申すものですから
諦
(
あきら
)
めています」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お秋 だつてさ、さうぢや無いの? あんたが
妻子
(
つまこ
)
がありながら、沢ちやんの所へ来るのも、度々言ふけどそんな気持も、私だつて解つちやゐるのよ。
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
▼ もっと見る
すめらみの、おためとて、
備前
(
びぜん
)
岡山を始めとし、
数多
(
あまた
)
の国のますらおが、赤い心を墨で書き、国の重荷を背負いつつ、命は軽き
旅衣
(
たびごろも
)
、親や
妻子
(
つまこ
)
を振り捨てて。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
夜会へ
招
(
よば
)
れて行く人もあれば、自分の
妻子
(
つまこ
)
を車に載せて、それを自分が
挽
(
ひ
)
いて花見に出掛ける車夫もある。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そうすりゃ、今年の暮は去年のような事もあるまい。何も
可愛
(
かわゆ
)
い
妻子
(
つまこ
)
の為だ。私は兎に角書いて見よう。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
弥左ヱ門は村に
火災
(
くわさい
)
ありときゝて
走皈
(
はせかへ
)
りしに、
今朝
(
けさ
)
出
(
いで
)
し家は
灰
(
はひ
)
となりてたゞ
妻子
(
つまこ
)
の
无㕝
(
ぶじ
)
をよろこぶのみ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
また
其
(
それ
)
がために
勢
(
いきほひ
)
を
増
(
ま
)
し、
力
(
ちから
)
を
得
(
う
)
ることは、
戰
(
たゝかひ
)
に
鯨波
(
とき
)
を
擧
(
あ
)
げるに
齊
(
ひと
)
しい、
曳々
(
えい/\
)
!と
一齊
(
いつせい
)
に
聲
(
こゑ
)
を
合
(
あ
)
はせるトタンに、
故郷
(
ふるさと
)
も、
妻子
(
つまこ
)
も、
死
(
し
)
も、
時間
(
じかん
)
も、
慾
(
よく
)
も、
未練
(
みれん
)
も
忘
(
わす
)
れるのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鋳物師 しかし
妻子
(
つまこ
)
を捨ててまでも、仏門に入らうとなすつたのは、近頃
健気
(
けなげ
)
な御志だ。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
当時は刀鍛冶で
妻子
(
つまこ
)
を養うこともできないような時であったといいます。それで妻子を養おうとするには、どうしても古刀の「にせもの」を作るよりほかにその日の暮らしようがありません。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
鈴鹿山世をふりすてて
妻子
(
つまこ
)
にもかへたる道に奥やありけん
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
叱
(
しか
)
り、泣く、
妻子
(
つまこ
)
の心!
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
弥左ヱ門は村に
火災
(
くわさい
)
ありときゝて
走皈
(
はせかへ
)
りしに、
今朝
(
けさ
)
出
(
いで
)
し家は
灰
(
はひ
)
となりてたゞ
妻子
(
つまこ
)
の
无㕝
(
ぶじ
)
をよろこぶのみ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
幸助を中にして三つの墓並び、冬の夜は
霙
(
みぞれ
)
降ることもあれど、都なる年若き教師は源叔父今もなお一人
淋
(
さみ
)
しく磯辺に暮し
妻子
(
つまこ
)
の事思いて泣きつつありとひとえに哀れがりぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
またそれがために
勢
(
いきおい
)
を増し、力を
得
(
う
)
ることは、
戦
(
たたかい
)
に
鯨波
(
とき
)
を挙げるに
斉
(
ひと
)
しい、
曳々
(
えいえい
)
! と一斉に声を合わせるトタンに、
故郷
(
ふるさと
)
も、
妻子
(
つまこ
)
も、死も、時間も、慾も、未練も忘れるのである。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちょっと
辻褄
(
つじつま
)
合わぬか知らぬが。チャント合うのが木魚の話じゃ。すべてキチガイ患者を連れて。赤い煉瓦のお
玄関先
(
げんかさき
)
へ。お辞儀しに来る連中の中でも。親や兄弟、
妻子
(
つまこ
)
やなんぞは。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
枕頭
(
まくらもと
)
の方では、乳臭い子供の
香
(
におい
)
をたずねると見え、幾羽となく集って来ていた。蚊帳の内にも飛んでいた。三吉は床を離れた。
蝋燭
(
ろうそく
)
とマッチを探って来て、火を
点
(
とも
)
した。
妻子
(
つまこ
)
はいずれもよく寝ていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
田も家も無さを悲むうらうへに有れば歎きぬわが
妻子
(
つまこ
)
まで
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
妻子
(
つまこ
)
の留守に。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分は縁先に出て月を
眺
(
なが
)
め、
朧
(
おぼ
)
ろに
霞
(
かす
)
んで湖水のような海を見おろしながら、お露の酌で飲んでいると、ふと死んだ
妻子
(
つまこ
)
のこと、東京の母や
妹
(
いもと
)
のことを思いだし、又この身の流転を思うて
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“妻子”で始まる語句
妻子眷族
妻子眷属
妻子珍寶及王位