“好(かう)” の例文
流水(りうすゐ)豈(あに)心(こゝろ)なからんや。言(ことば)を交(かは)すと、祕(かく)さず名(な)を言(い)つた。お好(かう)ちやんの語(かた)る處(ところ)によれば、若後家(わかごけ)だ、と云(い)ふ。若旦那(わかだんな)思(おも)ふ壺(つぼ)。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
十數年(すうねん)來(らい)浪(なみ)を枕(まくら)に世(よ)を渡(わた)る水夫(すゐふ)共(ども)も未曾有(みそういう)の好(かう)航海(かうかい)だと語(かた)つた程(ほど)で、從(したがつ)て其間(そのあひだ)には格別(かくべつ)に記(しる)す程(ほど)の事(こと)もない。
『大佐閣下(たいさかくか)、好(かう)機會(きくわい)です、例(れい)の一件(いつけん)、此(この)島(しま)に紀念塔(きねんたう)を建(た)てる事(こと)を依頼(いらい)しては如何(どう)でせう。』
そゞろ身(み)にしみて、春(はる)の夕(ゆふべ)の言(ことば)の契(ちぎり)は、朧月夜(おぼろづきよ)の色(いろ)と成(な)つて、然(しか)も桃色(もゝいろ)の流(ながれ)に銀(しろがね)の棹(さを)さして、お好(かう)ちやんが、自分(じぶん)で小船(こぶね)を操(あやつ)つて、月(つき)のみどりの葉(は)がくれに、若旦那(わかだんな)の別業(べつげふ)へ通(かよ)つて來(く)る
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
此(こ)の美女(びぢよ)、姓(せい)は胡(こ)で、名(な)はお好(かう)ちやんと云(い)ふ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)