トップ
>
夾
>
はさ
ふりがな文庫
“
夾
(
はさ
)” の例文
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
善
(
よ
)
く
射
(
い
)
る
者
(
もの
)
をして、
(五三)
萬弩
(
ばんど
)
、
道
(
みち
)
を
夾
(
はさ
)
んで
伏
(
ふく
)
せしめ、
(五四)
期
(
き
)
して
曰
(
いは
)
く、『
暮
(
くれ
)
に
火
(
ひ
)
の
擧
(
あ
)
がるを
見
(
み
)
ば
倶
(
とも
)
に
發
(
はつ
)
せよ』
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
など戯れつつ力餅の力を
仮
(
か
)
りて上ること一里余杉
樅
(
もみ
)
の大木道を
夾
(
はさ
)
み元箱根の一村目の下に見えて秋さびたるけしき仙源に入りたるが如し。
旅の旅の旅
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
なお妾と互い違いに
臥
(
ふ
)
して妾の
両足
(
りょうそく
)
をば自分の両
腋下
(
えきか
)
に
夾
(
はさ
)
み、
如何
(
いか
)
なる
寒気
(
かんき
)
もこの
隙
(
すき
)
に入ることなからしめたる、その真心の有りがたさ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
……中に人の数を
夾
(
はさ
)
んだばかり、つい同じ車に居るものを、
一年
(
ひととせ
)
、半年、立続けに、こんがらかった苦労でもした中のように
種々
(
いろいろ
)
な事を思う。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
支那で古く蛟と呼んだは『呂覧』に、
佽飛
(
しひ
)
宝剣を得て江を渉る時二蛟その船を
夾
(
はさ
)
み
繞
(
めぐ
)
ったので、飛江に入って蛟を刺し殺す。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
抑
(
そもそ
)
も塩原の地形たる、
塩谷郡
(
しほやごほり
)
の南より群峰の間を分けて深く西北に
入
(
い
)
り、綿々として
箒川
(
ははきがわ
)
の流に
沂
(
さかのぼ
)
る
片岨
(
かたそば
)
の、四里に
岐
(
わか
)
れ、十一里に
亙
(
わた
)
りて、到る処
巉巌
(
ざんがん
)
の水を
夾
(
はさ
)
まざる無きは
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
璧を
齎
(
も
)
ちて河を渡りける時、河の神の、璧を得まくおもふより波を起し、
蛟
(
みづち
)
をして舟を
夾
(
はさ
)
ましめ
其
(
そ
)
を
脅
(
おど
)
し求むるに遇ひしが、吾は義を以て求むべし、威を以て
劫
(
おびやか
)
すべからずとて
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
己酉
(
つちのととり
)
(二十八日)……さらに
日本
(
やまと
)
の
乱伍
(
らんご
)
、
中軍
(
ちゅうぐん
)
の卒を率いて進みて大唐の軍を
伐
(
う
)
つ。大唐、
便
(
すなわ
)
ち左右より船を
夾
(
はさ
)
みて
繞
(
めぐ
)
り戦う。
須臾
(
とき
)
の
際
(
ま
)
に
官軍
(
みいくさ
)
敗績
(
やぶ
)
れぬ。水に
赴
(
おもむ
)
きて
溺死
(
しぬ
)
る者
衆
(
おお
)
し。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
以テ日ヲ消スルノ具ニ供ス。尾濃ノ間騒人
緇流
(
しりゅう
)
ソノ高風ヲ慕ヒ遊ブ者常ニ数十人。経ヲ抱ヘ策ヲ
夾
(
はさ
)
ミ益ヲ請フ者マタ日ニ
麕
(
むらが
)
リ至ル。居ルコト数年
会
(
たまたま
)
尾公学校ヲ起シ以テ賢者ヲ招ク。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
河原には
蓬
(
よもぎ
)
が
沙
(
すな
)
の中に埋まって生えている、大さな石から石には、漂木が
夾
(
はさ
)
まって、頭を支え、足を延ばし、自然の丸木橋になっているところを、私たちは上ったり下りたりした
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
七葉樹の木立ちで葉影の美しく画かれたテイブルを
夾
(
はさ
)
んでワインをくむ、ニーセンの空には、真っ白な真夏の雲がむくむく湧いて、刻々に湖の上へ拡がって来る、風もない水の面は
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
唐の
張鷟
(
ちょうさく
)
の『
朝野僉載
(
ちょうやせんさい
)
』に、嶺南の獠民、鼠の児目明かず、全身赤く
蠕
(
うご
)
めくものに、蜜を飼い、
箸
(
はし
)
で
夾
(
はさ
)
み、取って咬むと
喞々
(
しつじつ
)
の声をなす、これを
蜜喞
(
みつしつ
)
といいて賞翫するとあり。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
去年この紀行が『二六新報』に出た時は炎天の候であって、余は病牀にあって病気と暑さとの
夾
(
はさ
)
み撃ちに遇うてただ煩悶を極めて居る時であったが、毎日この紀行を読む事は楽しみの一つであった。
徒歩旅行を読む
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
クレヴァースを
夾
(
はさ
)
んで、右に二人、左側に三人、なかには爪立つばかりに氷の端をつかんで立ってるのもあり、
蹲
(
しゃが
)
んでいるのはクレヴァースにのめる様で、一人はその肩につかまって延び上りながら
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
〈卜し
訖
(
おわ
)
りて手を拱いて曰く、恭喜すこれ個の卵を
夾
(
はさ
)
むもの、その人甚だ喜び、いわく男子たること疑いなし、産するに及びてかえってこれ一女なり、因って往きてこれを咎む、卜者曰く
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
夾
漢検1級
部首:⼤
7画
“夾”を含む語句
夾竹桃
夾雑物
夾撃
夾雑
夾翼
草夾竹桃
夾雑音
夾谷
夾襖
夾袋
夾苧漆
剣夾
夾紵
夾石道
夾波列爾
夾快
夾山