ぢやう)” の例文
同室の四五人の婦人客は皆ペピユブリツクで降りた。この停留ぢやう余程よほど地の上へ遠いのでエレベエタアで客をおろしもするのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
主人公は一ぢやうの夢に至る迄、何か天下を驚かす様な内容でなければ気が済まないのだとしか解釈出来ない。
『煤煙』の序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ブライアン氏はそこで一ぢやうの演説をした。そしてすつかりい気持になつて、自分の椅子へ着くと、聴衆きゝてのなかから農夫ひやくしやうらしい人のささうな顔をした男が一人出て来た。
忽ち喝采の聲は柱をゆるがさんとせり。こは未だその藝を讚むるならずして、先づ其色を稱ふるなり。所以者何ゆゑいかにといふに、彼は今わづかぢやうに上りて、未だ隻音せきおんをも發せざればなり。
女の子の二人は元園町へ遊びに行つた。送つて行つたひいづは帰つて来るとまたぐ藤島さんへ行くみつと、水道橋の停車ぢやうまで一緒に行つた。天野さんが来てそれからおてるさんが来た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
といふのは、田舍の小學校にはよく有勝ありがちな奴で、自分が此學校に勤める樣になつて既に三ヶ月にもなるが、いまだ嘗て此時計がK停車ぢやうの大時計と正確に合つて居たためしがない、といふ事である。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
つゝみ枯草かれくさうへつて、但馬守たじまのかみおほきなこゑ新任しんにん挨拶あいさつねて一ぢやう訓示くんじ演説えんぜつをした。演説えんぜつすこしもみゝいためないでくことの出來できものは、おほくの與力よりき同心どうしんちうほとんど一人ひとりもなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ミユンヘン麦酒ビイルの産地だけに大きな醸造ぢやうが幾つも有つての醸造ぢやうでも大きな樽からすぐ生麦酒なまビイルさかづきいで客に飲ませるのであるが
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
喝采の聲と花束のひらめきぢやうに上りたるアヌンチヤタを迎へき。その我儘にて興ある振舞、何事にも頓着せずして面白げなる擧動を見て、人々は高等なるわざといへど、我はそを天賦のさがとおもひぬ。
伯林ベルリンおごそかなる大停車ぢやう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
中にもバイエルン王のみづから営んでられる大醸造ぢやうは外観の宏壮な事が劇場の如く、うちは階上階下の二室に別れて併せて五千人の客を入れる装置が出来て居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)