-
トップ
>
-
商売
>
-
しやうばい
五六軒の
藁屋ならび、
中にも
浅間な
掛小屋のやうな
小店を
開けて、
穴から
商売をするやうに
婆さんが
一人戸の
外を
透かして
居た。
高が
大家と云はれて
見たさに
無暗に
原稿紙を
書きちらしては
屑屋に
忠義を
尽すを
手柄とは
心得るお
目出たき
商売なり。
夫を
又他へ
行つて
云はれるとね、
私の
処の
商売に
障るから、
他へやらねえやうに
棒縛りにしたんでございます。
男はまだ
初めてと
云ふ
年頃であるが、
気の
持ちやう
一ツで、
女ならば
誰にでも
出来る
商売のこと。
是は
当今では
出来ませぬが、
昔時は
行倒を
商売にして
居た者があります。
無闇に
家の
前へ
打倒れるから
モウ二三
人来るまで待つては
居られぬ、
腹が
空て
耐らぬのぢや——
是は
菜めしと
間違たと
云ふ話です、
其頃は
商売ではなかつたから、
其位のものでござりましたらう。
何うも
私は
腹が
空つて歩かれませぬ、
其上塩梅が
悪うございまして。と
云ふから
仕方なしに
握飯の
二個に
銭の百か二百
遣ると
当人は喜んで
其場を
立退くといふ。
是が
商売になつて
居ました。