商売しやうばい)” の例文
旧字:商賣
五六軒ごろくけん藁屋わらやならび、なかにも浅間あさま掛小屋かけこやのやうな小店こみせけて、あなから商売しやうばいをするやうにばあさんが一人ひとりそとかしてた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たか大家たいかと云はれてたさに無暗むやみ原稿紙げんかうしきちらしては屑屋くづや忠義ちうぎつくすを手柄てがらとは心得こころえるお目出めでたき商売しやうばいなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
それまたわきつてはれるとね、わたしところ商売しやうばいさはるから、わきへやらねえやうに棒縛ぼうしばりにしたんでございます。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
をとこはまだはじめてと年頃としごろであるが、ちやうひとツで、をんなならばだれにでも出来でき商売しやうばいのこと。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
これ当今たうこんでは出来できませぬが、昔時むかし行倒ゆきだふれ商売しやうばいにしてた者があります。無闇むやみうちまへ打倒ぶつたふれるから
行倒の商売 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
モウ二三にんるまで待つてはられぬ、はらへつたまらぬのぢや——これめしと間違まちがへたとふ話です、其頃そのころ商売しやうばいではなかつたから、其位そのくらゐのものでござりましたらう。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
うもわたくしはらつて歩かれませぬ、其上そのうへ塩梅あんばいわるうございまして。とふから仕方しかたなしに握飯むすび二個ふたつぜにの百か二百ると当人たうにんは喜んで其場そのば立退たちのくといふ。これ商売しやうばいになつてました。
行倒の商売 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)