よん)” の例文
さしわたし三間ばかりにめぐらしたる高さ六七尺のまろき壇を雪にて作り、これに二処ふたところの上りだんを作る、これも雪にてする、里俗りぞくよんしろといふ。
と峡田領に属し、浅草寺地及寺領地に係る。其間頗る錯綜し、容易に弁じ難きを以て、旧幕時代は伊呂波いろは番号を附し、世、よんで、伊呂波長屋と云へり。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
ソレでも五本や十本はあったと思う、神明前しんめいまえ田中重兵衛たなかじゅうべえと云う刀屋をよんで、ことごと売払うりはらっ仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
待んと存ぜしが又々金子不用心ぶようじんゆゑ明後日參りて受取り來らん先は五ヶ年留守のうち村中の世話せわに成りことに百五十兩と云ふ大金をためて來りし事なれば村中を明日あすよんで馳走を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さあ、飲めってえ、と、三人で遣りかけましたが、景気づいたから手明きの挽子どもを在りったけよんで来た。薄暗い台所だいどこを覗く奴あ、音羽から来る八百屋だって。こっちへ上れ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ボヘミヤのハッスまさに焼殺しょうさつせられんとするや大声よんでいわく「我死するのち千百のハッス起らん」と、一楠氏なんし死して慶応明治の維新に百千の楠公起れり、楠公実に七度ななたび人間に生れて国賊をほろぼせり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
議長の言なかばなるに、「議長」とよんで評議員席に起立したるは、平民週報主筆行徳秋香かうとくあきかなり、彼は先刻来憤怒の色を制して、松本を睨視げいししつゝありしが、今は最早もはや得堪へずして起ちたりしなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
さしわたし三間ばかりにめぐらしたる高さ六七尺のまろき壇を雪にて作り、これに二処ふたところの上りだんを作る、これも雪にてする、里俗りぞくよんしろといふ。
そんな小供をよんで来て発音を習うたり、又あるいは漂流人で折節おりふし帰るものがある、長く彼方あっちへ漂流して居た者が、開国になって船の便があるものだから、折節帰る者があるから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
つれさきへ東町の自身番へいつて淺草三間町の虎松をよんおけおれは坂本へ鳥渡ちよつとまはつてゆくからと申付て立出れば手先てさき幸藏かうざうは脇差を風呂敷ふろしきつゝみ治助を同道して東町の自身番じしんばんへ來り虎松とらまつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
秦亀しんきは山中にるものなり、ゆゑによんで山亀といふ。春夏は渓水けいすゐに遊び秋冬は山にかくる、きはめて長寿する亀は是なりとぞ。又筮亀ぜいきと一名するは周易しうえきに亀をやきて占ひしも此亀なりとぞ。
聞て返答に差詰さしつまりし時は暫く控へさせ上へうかゞひ申して後返答致すべしとておくへ來り給へ其口上に依て返答の致し方は種々さま/″\ありと教ければ然らば對面致すべしと取次の者をよんで次右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫れから水夫をよんで、水を使えは鉄砲で撃殺すからう思えと云うようなけで水を倹約したから、如何どうやら斯うやら水の尽きると云うことがなくて、同勢どうぜい合せて九十六人無事に亜米利加についた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
秦亀しんきは山中にるものなり、ゆゑによんで山亀といふ。春夏は渓水けいすゐに遊び秋冬は山にかくる、きはめて長寿する亀は是なりとぞ。又筮亀ぜいきと一名するは周易しうえきに亀をやきて占ひしも此亀なりとぞ。